4月から新しい生活が始まりますね。入園・入学・進級でがらっと環境が変わるご家庭も多いと思います。そこで、この時期に特におすすめの絵本を3冊紹介します。
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4月から小学校に入学する子どもにおすすめの絵本『ねぇ、おしえて? いろいろ しりたい しょうがっこうのこと』(作・絵 usao)は、元小学校教師usao先生による、小学校生活の不安と緊張をほぐす入学・進級にぴったりな1冊です。
我が家も子どもの小学校入学を控え、楽しみもいっぱいですが、不安もいっぱい。卒園時には「小学校はワクワクするよ、楽しみだね!」と送り出されました。しかしキラキラした言葉で語られがちな小学校入学からの学校生活、「大丈夫かな?」と思う気持ちは大人も子どもも同じなのではないでしょうか。
この本は、新しいクラスメイト、初めての先生、慣れない授業……不安や緊張もいっぱいという子たちに寄り添う本を作りたいという思いから出来上がったそう。学校へのネガティブな気持ちをどう受け止めたらよいか、大人からうまく伝えにくいことも、妖精うさおがやさしく向き合います。転校をして新しい環境に移る子にもおすすめです。
1991年大分県生まれのusao(うさお)さんは、小学校教諭として働くかたわら、教員経験を描いたツイッター投稿が話題になりました。著書に『usao漫画』『usao漫画2』『なんでもない絵日記』(いずれも扶桑社)、『usaoの先生日記』(小社)、『今のわたしになるまで』(大和書房)などがあります。
■『ねぇ、おしえて? いろいろ しりたい しょうがっこうのこと』
■作 絵:usao
■価 格:1,320円
■発行元:東洋館出版社
「自分を愛する」をテーマに創作活動をしているクリエイターOmayuが、初の絵本「猫さんと色んなきもち」を出版しました。
この絵本のコンセプトは「どんな感情も感じていい」だそうで、次のように話しています。
私たちはしばしばネガティブな後ろ向きな感情を、「見なかったことにする」か、「蓋をして我慢する」ことがあります。これは、周りに迷惑をかけたくないためであったり、自分を守るためであったりします。
しかしながら、後ろ向きな感情は、私たちの心の一部であり、大切なことを教えてくれるものでもあります。今回はそんな「ネガティブな感情」も「自分で感じてあげてもいいんじゃない?」という提案 です。
この物語では、猫さんを通じて、様々な感情に向き合う姿を描いています。これにより、自分の内面にある後ろ向きな感情に気づくことができ、向き合い方を考えるきっかけとなることを願っています。また、この物語を通じて、子どもたちと感情について話し合う機会を作ることができると嬉しいです。
いかがでしょうか?私もとても強いメッセージだなと感じました。「色んな人になりたい猫さん」が「自分を愛する」をコンセプトに活動を始めたきっかけは、ご自身が自己肯定感が低く、常に自分を責めてしまうタイプであったからだそうです。自信がないため、仕事や恋愛、さまざまな物に依存して自分の欠乏感を埋めて生きてきたそうですが、ある時、自分軸を大切にする親友との出会いで、「自分を愛することの大切さ」を知った、と語られています。
私も子育てをしていて感じるのは、自分が子どもだった時に当たり前だったことが正しいとは限らない、ということです。知らずに持ち合わせた歪んだ価値観を親子で新しい価値観に見直しながら、自分を愛する気持ちを育める1冊ですね。
■『猫さんと色んなきもち』
■価格:2,000円
■販売場所:チャックルブック
最後に紹介するのは、人気料理家コウケンテツさんの初のレシピ絵本です。料理動画でYouTube 登録者数170 万人超、簡単でおいしく作れるレシピが大人気のコウケンテツさん。料理家になったきっかけは、幼稚園の頃に初めて自分で作った「スクランブルエッグ」だったそうです。
「コツをつかんだら、子どもはひとりでできるようになります」とコウさん。実際、コウさんの、幼稚園生、小学生、中学生の3 人のお子さんもキッチンに立って料理をするそうです。
コウさんが生まれて初めて料理を作れた達成感を絵本にしたのがこの『まねっこシェフ にぎにぎ!おにぎり』です。モノマネ好きだった幼少期を思い浮かべ、「鏡の中のシェフ」のまねっこをしたら、自然と料理ができちゃう!というストーリーを着想。また読んだ後にすぐに同じ料理を作れるように、巻末には子どもがひとりで作るためのコツを伝えるレシピも掲載されています。
「小さな達成感や成功体験が、『なりたい自分になれる!』という思いにつながっていくんですよね。この絵本がそのきっかけになってくれたらうれしいです」と、食べること、作ることの楽しさ、そして自分ひとりでできたからこそ味わえた達成感・成功体験を、子どもたちに届けたいと、2 年をかけてできたこの絵本。小学校入学を機にお料理のお手伝いを始めるきっかけづくりにもおすすめです。
■『まねっこシェフ ふわふわ!スクランブルエッグ』
■作:コウケンテツ
■絵:そら
■価格:1,320円(税込)
■発行元:主婦の友社
■『まねっこシェフ にぎにぎ!おにぎり』
■作:コウケンテツ
■絵:そら
■価格:1,320円
■発行元:主婦の友社
いかがでしたか?今回紹介した3冊は新しい環境に不安を覚えている子だけでなく、園や学校生活を過ごしながら、ふと立ち止まって読めるような絵本ばかり。
いずれも子どもの心に寄り添った、読み聞かせにもおすすめの絵本です。強くて優しい心を持った、素敵な大人になってほしいですね。
(ライター/アネモネ)