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カルチャー

マクドナルド「ほんのハッピーセット」新シリーズで楽しく読み聞かせ

2020.11.05

マクドナルドのハッピーセット、どのご家庭でもお世話になったことがあるのではないでしょうか?

さまざまなおもちゃがついているハッピーセットの中でも、2018年から始まった「ほんのハッピーセット」は、絵本またはミニ図鑑も選べるとあって、大変好評です。
全世界で35000店舗あるマクドナルドですが、そのうち、オリジナルストーリー絵本と、ミニ図鑑を同時に通年で展開しているのは、日本のみ。今までに15種類の絵本と図鑑の2種類が作られ、累計配布数は、2000万冊を超えています。

今回、16シリーズ目の「ほんのハッピーセット」発売を記念し、絵本の読み聞かせが親子にもたらす効果について、発達心理学の第一人者であるお茶の水女子大学名誉教授、内田伸子教授を招いての、オンラインセミナーが実施されました。

誰でも喜ぶ。気楽に選べる絵本と図鑑

まず、日本マクドナルド・マーケティング本部の松尾安奈さんより「ほんのハッピーセット」の取り組みの背景や導入の経緯が説明されました。松尾さんは、2回目の産休後に、現在のファミリーマーケティングチームに所属し、「ほんのハッピーセット」はローンチ時から絵本・図鑑の開発を含め、一貫して担当しているそうです。

松尾安奈さん

現在日本では1か月に1冊も本を読まない子どもの問題が課題となっており、家族で同じ本を読む「家読」が推進されていますが、親たちからは「どのような本を選んでよいかわからない」「図書館に行く時間がない」といった声も上がっています。こういった背景から、ハッピーセットで本を提供することで、子どもたちがより気軽に本に触れる機会を作り出したいという思いで、「ほんのハッピーセット」の導入を決断したということです。

「ハッピーセットは現在、年間1億個以上販売しており、この規模を生かして社会に貢献した活動を行うことが、マクドナルドの企業としての責任であると考えました」と松尾さん。

遊びに熱中し、楽しく会話することで子どもは育っていく

次に、内田伸子教授により、絵本の読み聞かせが親子にもたらす効果についての講義がありました。

内田伸子教授

想像力というのは、人間の発達段階のいつから生まれるのでしょうか。

内田先生は、100名の10か月児に実験をし、その後も追跡調査をし、子どもの物事の理解の仕方には2通りあると指摘しました。

1つのグループは、人に興味が向く「物語型」、もう一方のグループは、モノに興味が向くので、「図鑑型」と名付けました。内田先生によれば、10か月ですでに理解の仕方によって、イメージを浮かべることができるそうです。イメージが誕生するとともに個性が生まれます。

「物語型」は全体の62%でそのうち女の子は80%。「図鑑型」は全体の38%でそのうち男の子は80%だそうです。「物語型」の男の子も、「図鑑型」の女の子も一定数います。

「物語型の子どもは、人間関係に敏感でおままごとや絵本を好む傾向があります。一方で図鑑型の子どもは、プラレールなど動きがある遊びや図鑑を好む傾向があります」と内田先生。おままごとを好む子と、ブロック遊びや積み木ばかり好む子が存在することは、私たちも知っていますが、わずか10か月ころからその傾向がみられるということは驚きですね。

「『ほんのハッピーセット』では、絵本と図鑑の2種類の展開をしているので、物語型の子どもでも、図鑑型の子どもでも対応することができることは、素晴らしいです」と、内田先生は言います。

このほか、内田先生は、さまざまな実験データをもとに、子どもの学力や能力の差は、経済格差や習い事の有無、保育園か幼稚園かの違いなどに関連することはなく、絵本体験が豊富で語彙が豊富な子、主体的に、遊びに熱中して楽しんでいる子は、非認知スキルが高まり、伸びていくと語りました。

「日韓中越蒙を対象とした研究結果によると、習い事をしている子どもは、そうでない子どもよりも読み・書き・語彙に差が出ることがわかりましたが、その差は習い事の種類が関係しているのではなく、習い事を通じて行われる他者とのコミュニケーションの差などが影響することも同時にわかりました。学力格差は絵本の読み聞かせや家族の団欒(会話)などから乗り越えることができます。楽しい会話を通じて習得しましょう」。

子どもの成長のカギになるのは、他者とのコミュニケーションにあるという言葉は、経済格差をも乗り越えることができるという力強いメッセージとなりました。

親子で語り合いながら、絵本を楽しみ、体験を重ねることで想像力が生まれ、創造する力が生まれるのですね。

ハッピーセットの絵本は、すべてオリジナルストーリー

さて、ほんのハッピーセットでは、絵本のテーマはどのように選ばれているのでしょうか。松尾さんに伺いました。

「徳育と知育を柱に、絵本と図鑑という2種類のカテゴリーを決めました。
絵本は、子ども達が楽しく読めることを前提にして、思いやりの心、感動する心をはぐくみ、ワクワクしたり、笑ったりして親子のコミュニケーションが生まれるもの豊かな人間性を育てる徳育を目的とし、図鑑は知識を得ることで自ら考え判断し、表現する知育を狙いとしています。そういった狙いを作者の方には伝えていますが、最終的にどういうストーリーにするのかは、作者にゆだねており、しっかりとした方針はありつつ、作家さんの個性を活かすように制作しています。ほんのハッピーセットの絵本はすべてオリジナルストーリーとなっています」

優れたクオリティと持ち運びしやすく、丈夫なのが人気の秘密

「ほんのハッピーセット」には、「クオリティが高い」、「思わず集めたくなるシリーズ」、「ほんのハッピーセットのおかげで、子どもが本を好きになった」など、様々なポジティブな声が届いているということです。

ストーリーや図鑑の内容ももちろん大切ですが、ハードカバーで汚れにくく、ミニサイズで持ち運びしやすいというのも、小さな子どものための本としては、大切なポイントですね。

内田先生も、
「何度読んでも汚れてもさっとふけるし、いつもお母さんのバッグにはいるサイズ感がいい。これがきっかけになって絵本が好きになってくれるといいですよね」と語っていました。

新シリーズの「ほんのハッピーセット」は季節感もたっぷり

10月30日より発売される16作目は絵本「かぼちゃスープのおふろ」と図鑑「野菜と果物/秋・冬編」です。

「かぼちゃスープのおふろ」は、柴田ケイコさん作のかわいらしい絵で、お話の展開も意外性があって楽しい絵本となっています。

「かぼちゃスープのおふろ」
森の仲良し 3 匹が出くわした、かぼちゃスー
プのおふろ。いい匂いに誘われた 3 匹は…
作/柴田ケイコ
発行/2020.10.30

柔らかなタッチの絵で、楽しいストーリーが展開される

図鑑は秋冬の野菜や果物をテーマにしていて、季節の食べ物について、詳しく知ることができる内容です。

「野菜と果物/秋・冬編」
かぼちゃやりんごなど、秋〜冬においしい 59
種類の野菜と果物を紹介しています。
発行/2020.10.30

写実的な絵で、図鑑型の子ども向き

絵本にはパズルが、ミニ図鑑には、本文中に張り付けて自分で完成させられるシールがついています。

 

絵本のおまけのパズル

図鑑のおまけにつくシール

もともとパズルやシールはついていませんでしたが、子どもたちにもっと楽しんでもらえるよう、2020年春よりおまけとして、つけているそうです。

本を読んで楽しんだ後に、親子で実際に作って楽しんでみたり、食べたりして、さらなる楽しみに活用できるといいですね。親子でハッピーなひとときが過ごせますように。

内田伸子教授(お茶の水女子大学名誉教授)

プロフィール
【専門分野】発達心理学,言語心理学,認知科学,保育学
【履歴】お茶の水女子大学文教育学部卒業,同大学院修了,学術博士.
【主要著書】『まごころの保育―堀合文子のことばと実践に学ぶ―』(小学館,1998),『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店,1999)『AIに負けない子育て~ことばは子どもの未来を拓く~』(ジアース教育新社,2020)『想像力 ~人間力の源をさぐる』(春秋社,印刷中)ほか多数
【社会活動】NHK「おかあさんといっしょ」の番組開発・コメンテーター,ベネッセの子ども チャレンジの監修,しまじろうパペットの開発,創造性開発の知育玩具「エポンテ」シャ チハタとの共同開発(「日本おもちゃ協会」知育玩具部門優秀賞,2015年)

ハッピーセットとは

ハッピーセットは、チーズバーガーやチキンマックナゲット®などの メインメニュー、サイドメニュー、ドリンク、おもちゃまたは絵本か図鑑がセットになった子ども向けのメニュー。 お好みに合わせて野菜ジュースやスイートコーンなど100通り以上の組み合わせを選べるメニューのバラエティーや、マクドナルド限定の楽しいおもちゃもしくは絵本・図鑑が好評の人気商品。

■販売エリア:全国のマクドナルド店舗(一部店舗を除く)
■販売時間:全営業時間中
■店頭価格:470円~500円 ※税込・一部店舗では価格が異なる場合があります
■   ほんのハッピーセット 新登場! 2020年10月30日(金)〜

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