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みなさんは、子どものおもちゃがこわれたらどうしていますか?
こわすなといっても、子どもは投げたり踏んだりと扱いが乱暴。買ったばかりのものや高価なもの、大切なものをこわされると、ガッカリしてしまいますね。
メーカーに問い合わせたりしてもほとんどは修理が叶わず、捨ててしまうことが多いのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのが、「おもちゃ病院」です。
全国各地にあるので、耳にされた方は多いかもしれません。
「おもちゃ病院」を主宰しているのは、「日本おもちゃ病院協会」という全国組織のボランティア団体です。現在全国のさまざまな場所で定期・不定期に開かれる「おもちゃ病院」は、約600ヵ所あるそうです。
こちらの病院の利用方法は簡単です。ホームページでご自身の行きやすい場所で開催されいているおもちゃ病院を検索し、こわれたおもちゃを持っていくだけです。
おもちゃの直し方や基本姿勢について学んだ「おもちゃドクター」が待機していて、おもちゃを直してくれます。
おもちゃドクターは全国で1400名ほど登録しているそうです。長年メーカーで働いていた技術者や機械いじりの好きな青年など、手ぐすねをひいてこわれたおもちゃが来るのを待っていてくれます。
この日の入院患者はトミカタワー。2時間ほどで動くように直した。
修理は、かなり高度なものまで取り扱ってくれます。修理代は、ヒューズ交換など材料費がかかったもの以外は、原則無料。その場で直せなかったおもちゃ(患者といいます)は、本拠地である東京おもちゃ美術館に「入院」となります。
かなりの「重症患者」でも、プロの「おもちゃドクター」たちが経験と知恵を駆使して直してくれるのが「おもちゃ病院」の大きな魅力。
「日本おもちゃ病院協会」会長の三浦康夫さんは、「たくさん遊んでくれたからこそ、おもちゃもこわれるんです。持ち込まれたおもちゃに対しては、なんとしても直すという気持ちでやっていますよ」とにこやかに語ってくれました。
会長の三浦康夫さん
協会からは会員に対しておもちゃの直し方の技術や考え方について情報発信を絶えず行い、開催場所によって技術や応対での差が出ないよう、心がけているそうです。
ポッキリ折れたプラスチック製の棒、音の出なくなった鳴るおもちゃ、動かなくなった電車やバス。ぜひあきらめずに近くの「おもちゃ病院」に持って行ってください。やさしいドクターが待っていてくれますよ。
元気になっておもちゃが帰ってきたら、今度は大切に使うように親子で話してみるのもいいですね。
(取材:文 宗像陽子)