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おでかけ

「魔法の文学館」角野栄子さんのハッピーオーラに抱かれて、本の世界に没頭できる最高空間! 江戸川区

2024.10.17

『魔女の宅急便シリーズ』や『アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ』の作者であり、2018年には児童文学の「小さなノーベル賞」と言われる国際アンデルセン賞作家賞を受賞。近年ではSNS等で発信されるご自身のライフスタイルや、映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』も話題の児童文学作家・角野栄子さん。

今日はそんな角野さんのこれまでの作品と功績を伝えつつ、角野さんご自身と選書委員会が選んだ児童書約15,000冊を読むことができる「魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)」に親子で遊びに行ってきました。

そこは「こんなにも本の世界に没頭できる居場所があっただろうか︎」と本好きが心から感動できる空間!その素晴らしい魅力の一端をご紹介します。

心地よい風の吹き抜ける「なぎさ公園」の丘へ

2023年11月、「魔法の文学館」は角野栄子さんが3歳から23歳までを過ごした江戸川の地に誕生しました。

四季折々の豊かな自然にあふれ、旧江戸川を一望できる「なぎさ公園」の小高い丘を抱くように佇むこの建物は、建築家・隈研吾氏によるもの。「フラワールーフ」という花びらが広がる様子をデザインに落とし込んだ屋根が特徴的で、3階建てでありながら、どのフロアもゆるやかに外とつながる不思議な広がりを持っています。

建物のそばにはポニー乗り場や、斜面と一体化した不思議な形の滑り台などもあり、子どもたちがのびのびと過ごせる最高のロケーション。川から吹き抜ける心地よい風を感じることができます。

最寄駅からは都営バスを利用

最寄駅は東京メトロ東西線「葛西駅」か、JR京葉線「葛西臨海公園駅」となり、それぞれそこから都営バスで10分ほど、各バス停からは徒歩5分ほどとなります。区外から訪れる私たちは、「葛西臨海公園駅」で下車し、駅前のバスターミナルで都営バス「葛西21」に乗り込みました。

なお最寄りのバス停は「魔法の文学館入口」ですが、2023年11月以前は「南葛西第二小学校前」というバス停だったそう。バスの中のデジタル表示が一部「南葛西第二小学校前」のままで少し混乱したため、土地勘のない方はあらかじめ把握しておくと良さそうです。

いちご色の館内は、わくわくできる仕掛けだらけ

純白の建物の中は、アートプロデューサーのくぼしまりおさんが内装デザインをしたという「いちご色」の世界が広がっていました。


“本をひらけばたのしい世界”エントランスには角野さんからのメッセージが

 

1Fから3Fの空間をつなげる、中央の広々とした階段

くぼしまさんといえば角野さんの娘さんであり、角野さんのカラフルで遊び心たっぷりなファッションスタイルを生み出した名スタイリストとしても知られています。

いつもSNS等で拝見していた角野さん&くぼしまさんのカラフルポップな世界が館内全体に展開する様に、「ここに来られてよかった〜!」と私はすっかり興奮してしまいました。

子どもたちの心を引きつける、映像や音の演出がたくさん!

もちろん、小さな子どもたちの心を引きつける演出も充実。『魔女の宅急便』の舞台となったいちご色の「コリコの町」の壁一面に映し出されるプロジェクションマッピングや、インタラクティブな4面映像の世界に参加できる「黒猫シアター」など、楽しく賑やかな仕掛けにあふれていました。

 

「コリコの町」のプロジェクションマッピングは全4種・各10分程度で繰り返し投影される

「コリコの町」には視覚トリックが楽しめる小窓もたくさん

トイレへの通路にも様々なキャラクターが現れるサプライズ

なお館内にはロッカー、エレベーター、授乳室、ベビーカー置き場、給水スポット完備。「誰でもトイレ」の中にはおむつ用のゴミ箱もありました。トイレの中も可愛らしく内装されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

角野作品の魅力にひたれる企画展やカフェメニューも充実

企画展では子どもたちが手を動かして遊べるような工夫が

2F「ギャラリー」では角野作品にちなんだ企画展を開催(不定期入替・最新の内容はHP等でチェックしておくと良さそうです)。さらに3Fの「カフェ・キキ」では、角野作品にちなんだ常設メニューのほか、企画展やイベントに連動した期間限定メニューも楽しめます。

訪れた日はちょうど『ようこそびっくりレストランへ』と題した企画展の最中で、カフェでは角野さんの1988年の著書『ごちそうびっくり箱』にちなんだ「星くずソーダ水」をオーダーできました。

 

切なくも不思議な短編「星くずソーダ水」が実際のドリンクに!※現在は終了

 

常設メニューも楽しい。『おばけのアッチ』より「チとキのサンドイッチ」を親子でシェア

「カフェ・キキ」のフロアには小さな子ども向けの手洗所やトイレもあり、軽く小腹を満たしたい人向けのパンやキッズサイズのジュース類もありました。これからの季節は、見晴らし最高な3F「展望テラス」での食事も楽しめそうです。

書棚はまるで宝の山!? 本好きが没頭できる素晴らしい空間!

 

あえて分類しないで並べてある約15,000冊の蔵書を自由に手に取れる

今回もっとも感動したのが、「本と出会う楽しさ・読んで没頭する楽しさ」を心から楽しめる書棚と空間のあり方でした。

明るさと仄暗さのバランス、ひらけていながら集中できる適度なおこもり感、遠いざわめきの心地よさ、緑の丘の気配…すべてが絶妙です。腰掛けたり、寝転んだり、奥まった場所に隠れたり、テラスや芝生の丘に本を持ち出したりしながら、するするっと本の世界・ひとりの世界に入り込めてしまいます。

館内のあらゆる場所に本好きへの愛があふれているようで、いるだけでのんびりと安らぐことができました。

屋外に本を持ち出す際は専用の持出袋と敷物を貸してもらえる

角野栄子さんと本の世界にひたれる心豊かな1日を!

希望すれば専用レターセットを借りて角野さんに手紙が書ける

この日、午前中から遊びに行った「魔法の文学館」でしたが、あまりの楽しさにあっという間に時が過ぎてしまいました。「正直なところ1日では足りない、できれば毎週でも通いたい!」と思えるほど大好きな場所となり、通いやすい江戸川区の皆さんがうらやましいばかりです。

個人的には角野さんの書斎の様子やカラフルなファッションアイテムなどを展示した2F「栄子さんのアトリエ」や、1F入り口脇の「ショップ」に並んだキャラクターグッズやいちご色のインテリアグッズにもわくわくしっぱなしでした。

館内に置かれていたいちご色の「ラビットチェア(広松木工)」も購入できる

この秋でめでたく開館1周年を迎え、今後も楽しいイベントが目白押しな「魔法の文学館」。これからもずっとこの場所で、多くのファンに愛される“居場所”となっていくことでしょう。

おでかけにぴったりなこれからの季節、読書の秋を堪能しに、ぜひ遊びに行ってみてくださいね。(取材・文/古賀ゆに)

基本情報

名称魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)
WEBhttps://kikismuseum.jp
営業時間9:30~17:30(最終入館16:30)
※3F「カフェ・キキ」営業時間は10:00~17:30(ラストオーダー17:00 / テイクアウト10:00~17:00)
定休日火曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
※火曜日が祝休日の場合は開館し、翌日が休館
住所〒134-0085 江戸川区南葛西7-3-1なぎさ公園内 地図を見る
アクセス・東京メトロ東西線「葛西駅」から
都営バス[葛西21]にて約10分「魔法の文学館入り口」下車
都営バス[葛西24]にて約10分「なぎさニュータウン」下車
・JR京葉線「葛西臨海公園駅」から
都営バス[葛西21]にて約10分「魔法の文学館入り口」下車
※各バス停から徒歩5分
料金・参加費・一般(15歳以上):700円〈500円〉〈〉内は江戸川区在住者、在勤者、在学者の割引料金
・こども(4歳〜中学生):300円〈200円〉
※料金はすべて税込み
※3歳以下無料、高齢者割引なし
※障がい者は半額、介助者は1人まで無料。入館の際に障がい者手帳等の提示が必要
※20名以上の団体は3カ月前までに要申込で2割引に
※チケットは入館日時を要インターネット予約。2ヶ月先まで可能(先着順)
※平日は日によって事前予約なしで入館可能な時間帯あり。詳細は当日受付状況へ
お問合せ

電話:03-6661-3911(10:00 – 18:00)

 

駐車場情報・駐車料金「魔法の文学館」来館者用駐車場あり(34台、うち2台は身障者用)
・1時間200円、以降1時間ごとに100円
・大型車は1時間600円、以降1時間ごとに300円
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