◆「おむかえ来てくれるの?」不安な子どもの気持ちに寄り添う本
新年度が始まり、保育園・幼稚園に行き始めた子も多いのでは?
ちょっと落ち着いた頃にまたGWがあり、GW明けには、また登園を嫌がる子もいるかもしれませんね。
そんなときにご紹介したい本は「おむかえパパ」。

本作は「今日も絶対におむかえ来てね」という子どもとパパとのやりとりを記した物語です。

本当にパパやママはおむかえに来てくれるのかな。
 「でももし、○○したらおむかえ来られないよね」
子どもは、不安でいっぱいです。
パパはユーモアたっぷりの発想で子どもの不安を取り除いていきます。
 でもそれもダメだったら?
 と子どもは次から次へとダメだし。

何があってもおむかえに行くというパパの愛情が伝わる展開になっており、子どもには
 「大丈夫。必ずおむかえに行くよ」という安心感を与えてくれ、
 親には、どんなに子どもがおむかえを待ちわびているのかが身にしみる内容です。
 「子どもの気持ちを受け止めてあげて。そして、笑顔でおむかえに行ってあげて」と、本は伝えてくれます。
こういうことってとてもよくありますね。
 子どもは次から次へと質問を繰り出すとき、ついつい親は「めんどくさい!もう、行くと言ったら行くの!」なんて怒ってしまいがち。
 どうか親子で一緒に読んで、じゃあどうする?といっしょに考えてあげてください。
送り迎えは、ママが多いけれど、この絵本ではパパになっているのもうれしいですね。
◆文:ナディーヌ・ブランコム。
 1960年生まれ。子どもに関わる仕事をしてきたあと、作家活動に専念。パリ在住。代表作「Grand loup et Petit loup」シリーズは15カ国語に翻訳され、日本でも「ちいさいきみとおおきいぼく」(ポプラ社」として刊行されている。
 ◆絵:オレリー・ギュレ。
 1975年生まれ。ストラスブール装飾美術学校でイラストレーションを学ぶ。現在フランス西部のレンヌ市に在住。雑誌イラストやポスターなどで活躍。子どものための絵本も多く出版している。日本での翻訳作品に「テーブルの したには ふしぎが いっぱい」(講談社 2002年)がある。2児の母。
◆訳:中川ひろたか。

1954年埼玉県生まれ。絵本作家。シンガーソングライター。保育士として勤務後、バンド「トラや帽子店」結成。「にじ」「世界中のこどもたちが」「ともだちになるために」など発表。 1995年「さつまのおいも」(絵・村上康成 童心社)で絵本作家デビュー。「ないた」(絵・長新太 金の星社 第10回絵本大賞受賞)、「おこる」(絵・長谷川義史 金の星社)ほか作品多数。
中川さんは、若い頃に保育士をしていた経験があるだけに、親子の気持ちの沿ったとても優しい訳になっています。
フランスらしい絵柄は、鮮やかな色彩が子どもにはわかりやすく、大人が手にしてもおしゃれでうれしい。
 プレゼントにも最適な絵本ですよ。
◆『おむかえパパ』 ◆
 定価:本体1,200円+税
 文:ナディーヌ・ブランコム
 絵:オレリー・ギュレ
 訳:中川ひろたか
 
 ISBN:978-4-07-418751-5