またまたココフル読者におすすめの映画がやってきます。
2018年8月17日全国公開の『タリーと私の秘密の時間』です。
◆人に頼れなくて、疲れ果てた末に選んだ結論は。。
<キャスト>
マーロ シャーリーズ・セロン
タリー マッケンジー・デイヴィス 他
<あらすじ>
仕事・家事・二人の子どもの育児を人に頼らずにこなしてきたマーロ。しかし下の子どもは少し情緒が不安定で、決まった通りに事が進まなかったり、大きな音におびえてパニックになってしまったりする手のかかる子どもです。そして、3人目が生まれます。真夜中に何度も起こされ、上の子どもは容赦なくパニックになり、学校から転校をやんわりと勧められ、夫は優しいが不在がち。ついにギブアップ。子守を頼むことにします。
▲夫は、優しいが家にいてもテレビゲームに夢中
夜だけ来てくれることになったベビーシッターのタリーは、若いながらもしっかり者でした。「子守なんて頼んだら、子どもが殺されちゃうかも」と心配していたマーロもすっかり落ち着くのでした。
マーロが夜ぐっすりと寝ている間に部屋はピカピカになり、マフィンが焼いてある。そんな夢のような日々。そしてタリーとはすっかり気の合うようになったマーロ。
ある日のこと二人は街へ繰り出していきます…。さて、その続きは……ぜひ映画で。
このお話は、もちろん「有能なシッターさんが現れて幸せになった」で終わる映画ではありません。夫婦がお互いを見つめなおすきっかけとなる映画ではありますが、実は、もう一つ裏のストーリーがあるのです。そこには映画を観ながらなかなか気づきません。
途中で、少しずつ私たちはマーロに対して違和感を感じてきてしまいます。
「おいおい」「え~」「それはいくらなんでも」と。
そんなのどに刺さった小さな針のような違和感は、最後に見事に覆され、すべてが腑に落ちるのです。
どこか懐かしい音楽も含めて、絡まった糸がほどけて、謎が解け、何もかもスットーンと腑に落ちたタリーとマーロの秘密。それがわかったときには、マーロが哀しくて、でもたまらなく愛しくて抱きしめたくなってしまいます。
この作品は、脚本を書いたディアブロ・コディが3人目の子どもを産んだ後で経験した疲労困憊状態から生まれたアイデアであること。そして、制作にあたっては若い母親たちにアンケートを取り、リアルな生活、心理状態をしっかりとリサーチしたことが作品に深みを与えています。
タリー「あなた、いいママよね」
マーロ「いいママは、クラスパーティーを企画してカップケーキを焼いている。私は疲れてできないの。着替えるだけで精一杯よ」
そんな数々のマーロとタリーのセリフに、共感しない女性はいないでしょう。
◆公開に先立ち「LiLiCoと涼平の秘密の質問」トークイベント開催♪
さて、公開に先立つ8月8日(水)、「『タリーと私の不思議な時間』トークイベント」が、六本木キノフィルムで開催されました。
登壇者は、LiLiCo、小田井涼平夫妻。夫婦でそろってのイベント登壇は初めてとのことで、最初こそ緊張した様子でしたが、映画の話になると舌も次第に滑らかに。
本作の感想についてLiLiCoさんは「ファンタジーでありながらディープな現実を描いている素晴らしい作品。子どもがいる、いないにかかわらずお勧めできる!」と、コメント。また人に頼れない主人公マーロに共感したと語り、「この映画は子どもを誰かに預けてでも、観に行ってほしい」とコメントしました。
小田井さんは「不思議な映画。夫の立場で観ていたので、身につまされる思いでした。映画を観た後は妻や彼女にご飯を奢ってあげたくなりますよ。男性こそ観てほしい」と語りました。
◆ストーリーも衣裳も音楽も、すべて優しく包み込んでくれる
家事育児、仕事に疲れた人は、LiLiCoさんの言うように、1日だけ子どもをほかの人に預けてこの映画を観に行ってはいかがでしょう。優しくじんわりと癒されますよ。
8月17日(金)よりTOHOシネマズシャンテ 他全国ロードショー!
お楽しみに!
(取材・文:宗像陽子)
<『タリーと私の秘密の時間』>
監督:ジェイソン・ライトマン 脚本:ディアブロ・コディ/出演:シャーリーズ・セロン、マッケンジー・デイヴィス 他
2018年/アメリカ/英語/カラー/ヴィスタサイズ/1時間35分/日本語字幕:中沢志乃/原題:Tully/レイティング:G /配給:キノフィルムズ [公式HP] Tully.JP
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