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カルチャー

発見力が生まれる動物図鑑「どうぶつのかお ならべてみた!」

2018.09.19

本日はポプラ社から2018年8月に出版された「どうぶつのかお ならべてみた!」をご紹介♪


「やってみた!図鑑①どうぶつのかお ならべてみた!」
(ポプラ社/文・高岡昌江 絵・かしわらあきお 監修・今泉忠明)
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/2128001.html

◆動物の顔がいっぱい!
「どうぶつのかお ならべてみた!」は、ページをめくっていくと、どうぶつの顔がいっぱい。
レッサーパンダの顔のページだったり、キリンの顔のページだったり。そのほか、ゴリラ、チンパンジー、ゾウ、ペンギン、モルモット、ハムスター、チーター、ヒョウ、ヤギ、ヒツジ、ライオン、ネコなど!

こんなにじーっと動物の顔を見比べること、大人だってなかなかないですよ。

真正面を見つめたたくさんのお顔を見ると、まず驚くのは「同じ種類の動物でもこんなに個性豊かなの?」ということ。

そして、お顔の中に紛れて、違う種類の動物もいます。たくさんのレッサーパンダの中に一匹のタヌキ! わかりますか?

さらに、この本は顔を見比べるだけではありません。似た動物同士、特徴の比べっこをしたり、区別の仕方を学んだりすることもできるのです。とっても小さな赤ちゃんから、大きな子まで、いえいえ大人でも、家族みんなで楽しめる、そんな本です。

文を書かれた高岡昌江さんと監修の今泉忠明先生にお話を伺ってきました。

◆同じ種類でも、個性豊かな顔・顔・顔
―動物の顔を並べるという珍しい図鑑です。なぜ顔に注目したのでしょうか。

高岡 まずは、同じ種の中での個性もあれば、別の種との違いもある。とにかく一頭一頭見て比べてみようというところから始まりました。読者のみなさんも、そこから始めてほしいですね。この本で動物を「観察する」という疑似体験をしてもらって、動物園や水族館に行ってくれたらうれしいなと。

―同じ種類でもこんなに顔に個性があるとは驚きました。
高岡 そうですね。あらためて、レッサーパンダってすごくかわいいなと思いましたね(笑)。写真を集めるのも大変でしたよ。
今泉 正面を向いている写真がなかなかないので、大変でしたね。
高岡 そうそう。いい写真があってもちょっと横向きだったり。

―確かにこれだけ並んでいると、壮観ですし、個々の違いもわかりやすいですね。

◆まるで、ノートみたい!わからないことを調べてみよう

―シリーズ名に「やってみた!ずかん」とありますが、「やってみた!」というのはどういう意味でしょうか?
高岡 「やってみた!」というのは、私や編集チームがみんなで実際いろいろやってみた、という意味です。いろいろやって、勉強してみたことを本にして紹介するという趣旨で作った本なんです。

―具体的には、何をやってみましたか?
高岡「くらべっこ やってみた!memo」のページでは、ノートを半分に折ったような形で、違う種類の動物の細部をくらべていますね。これ、実際、こういう感じでノートを取っていたんです。本物のノートはとても人に見せられるようなものではないんですが、整理するときにこういう風にしていました。

今泉 そうなのか。ホントのノートのつけ方とは思わなかったな。こうやって、ノートを半分に折って比べると、比べ忘れがないし、覚えやすいよね。

高岡 「自分が何か不思議に思ったことを調べてノートをとる」みたいな、自由研究的要素を入れたかったんですよ。

◆ゴリラとチンパンジーの違いって、言えますか?

高岡 また、ゴリラとチンパンジーって、違うってわかっているけれど、どこが違うのか大人でも明確に言えないですよね?でも違うことはわかっている。

何が違うのか、きちんと答えを出してあげたいという思いもありました。そこで、「くらべっこ やってみた!memo」というページが作られました。

―毛の長さが違うとか、細かいですねえ!

 

◆まじめに伝えたい「進化」の話

―こちらの本の楽しみ方を、もう少し教えてください。

今泉 同種の中にある異種の顔というのは、意外と小さな子でもわかるんですよ。

―もう少し大きな子であれば、くらべっこのページで楽しめそう。大人でも「へえ!」と思うところがたくさんですね。

高岡 兄弟や家族でも楽しめると思いますが、小さいころのことは「こんな本あったなあ。動物の顔がたくさん並んでいたなあ」となんとなく覚えていて、もう少し大きくなったときにもう一回見てもらうと、また気づき直しができると思いますよ。

―なるほど!

高岡 この本は、進化のことを書いてあるんですけれど、この対象年齢に向けて進化のことを書いている本はまずないと思うんですね。進化の話ってとても複雑だから。

―キリンは実はオカピがご先祖だと、ここに書いてありますが、そういうことですか。

高岡 はい。「角の形が違う」ということに気づいたら、次は「どうして違うのか」と発展するはず。見分け方が「進化」につながっている。「進化」というのは理屈っぽい内容なんですが、そこをまじめに伝えたかったんです。かみ砕いた説明などではなくて、あえて、「しんか(進化)」と。

変に難しい言葉を避けたり、柔らかく言い換えたりせず、まっすぐにシンプルに伝えたかったのです。今すぐにピンと来なくても、そういう考え方の種みたいなものが、どこかに残ってくれたらいいなあと思います。

今泉 子どもが一人で読んでもわかるように、最低限の説明は書いてあります。

―確かに細かいところまで読んで行くと、ますます面白くてはまりそうです。

◆受け身ではなく自分で発見することで、力がつく

―親としてはどういう風に、この本を読んだらいいでしょうか。

高岡 一緒に読んで楽しんでもらえたらいいなと思います。「何か教えてあげよう」という上から目線ではなくて、一緒に見て、大人も知らないことを知ったら一緒に感動してほしい。ここがわからないなと思ったら、もっと調べてみようと思ってほしい。子どもと同じ目線で、見てくれたらいいんじゃないかな。

今泉 変に知ったかぶりしないこと(笑)。

―動物園などに子どもと一緒に行っても、結構親も漫然と見ていることが多かったので、この本で一度「へー!」と驚いてから見に行くと、見方が変わってくるような気がします。

高岡・今泉 そうなってくれるとうれしいです。

―そうやって、見方が変わってくると、動物だけに限らず、他のことに対しても物の見方は変わるかもしれませんね。

今泉 そうですね。みんなこの本を読んで動物学者になるわけじゃない。でもこの本がとっかかりとなって、物の見方が変われば、世の中に出たときにいろいろと役に立つと思います。

―「なぜ?」とか「じーっとみる」とかがまずはとっても大切ということですね。

今泉 そう。なんでもね。考えてみることが大事ですよね。

―やってみた!ずかん①となっていますが、この動物シリーズは続くのですか?

高岡 動物とは限りませんが、この本に登場するキャラクター、ヤッテはかせとみーたんが登場するシリーズになるかもしれません。動物とは限らず、このシリーズだということがすぐわかるように、シンプルな図柄のキャラクターにしています。ヤッテはかせとみーたんに注目してくれたらうれしいです。

―シンプルで親しみやすいキャラクターですね。

快くお話をしてくださったお二人の先生。ありがとうございました。

子どもだましに終わらない。
大人にも十分読み応えがある。
読み込めば読み込むほど面白い。
そんな「どうぶつのかお ならべてみた!」

まずは親子で読んで、楽しんで、いろいろと気づいてみてください!

(取材・文:宗像陽子 写真・戸田敏治)