今日はとてもかわいい野菜たちの絵本『ごめんやさい』をご紹介します。
◼︎『ごめんやさい』(わたなべあや作、ひかりのくに)
誰でもうっかりしたり、調子に乗ってしまったりして親しい人に
いやな思いをさせてしまうことがあるもの。
親しいほど、そんなこともあるかもしれませんね。
自分は気づかぬうちに相手の中のちょっとしたわだかまりがどんどん大きく育ってしまったら、
それはとても残念なこと。
大人の世界にも子どもの世界にもあることですね。
そんな時、「それは違うよ」と率直に伝え、「ごめんね」とすぐにおわびする関係が、
この絵本に出てくる野菜ちゃんたちのコミュニティには根付いているんです。
独特なのは、「ごめんなさい」ではなくて、野菜ちゃんたちの言葉の「ごめんやさい」であることなんですけどね。
簡単なことのように見えて、時と場合によってタイミングを逸したり、意地を張ってしまったりして、
スムーズに言えないこともある「ごめんやさい」(あえて、野菜ちゃんたちの言葉で)。
お友だちとの出来事の中で、親や先生に「相手にいやな思いをさせたら何て言うの?」と正論で注意されると、意地を張ってしまう子もいるかも。
でもこの絵本で繰り返される「ごめんやさい」「いーいーよー」の繰り返しとみんなの笑顔を見たら、
何かとてもいいことだなあと、感じることができそうです。
先日、小学校の読み聞かせで読んだら、中学年以上の子どもたちも、面白いお話なのに真剣に見入っていました。
絵はかわいらしくて、小さい子向けのイメージがありますが、幅広い年代の子にオススメです。
大人の皆さんにも、味わってほしいなあと思います。(千葉美奈子)