WWFジャパンは、「CHART project®」と、2018年10月30日に発表した『Living Planet Report 2018:生きている地球レポート2018』のコラボレーション作品を制作しました。
本レポートによると、世界の生物多様性は過去40年間で60%も減少し、世界の生物多様性の消失と、人類の消費による地球環境への負荷の増大が明らかとなりました。現在、地球が1年間に生産可能な資源量以上に人間の消費がまさっており、つまり「原資」に手を付けながら「借金生活」をしている状態だということです。
WWFジャパンでは、こうした現実を一人でも多くの人に自分の課題としても認識してもらうために、「CHART project®」とコラボ。
「CHART project®」は、社会課題を表すデータ(例:地球環境データや食料廃棄データ等)のチャート(グラフ)の線だけを残して、それをアート作品に変えていくプロジェクトです。
▲人間の自然資源に対する需要と、地球が与えてくれる恵み、「エコロジカル・フットプリント」を紫芋のあんこや寒天などを使いあんみつで表現
今回、食に関わる人間活動が地球に与える負荷が大きいことから、この甘くない「現在の社会課題」をスイーツで表現したのは、ものがたり食堂のさわのめぐみさんです。本作品の制作にあたりさわのさんは、以下のようにコメントをしています。
「私たち人間が地球にどれだけ依存しているかを伝える為、作品でも依存性の高い『甘いもの』で表現しました。地球一個分の暮らしをする事は決して簡単な事ではありません。一人一人がほんの少し意識する事が大切だと思います。『地球を咀嚼する』というコンセプトで制作したCHART作品を通して、現実を受け止め、噛み締め、味わい、地球一個分の暮らしを考えられるきっかけになればと思いを込めました。」
このまま地球の生産可能な資源量以上に人間が消費をしてしまっている現状が続くと、やがて取りかえしがつかないことになってしまいます。
人間も健康で文化的な生活を維持しながら、環境負荷の少ない持続可能な社会の実現に向け、私たち一人一人が考えていきたいですね。
さわのさんの作品は、2018年11月13日から18日までタンバリンギャラリー(東京都渋谷区)にて展示されています。