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多様化する子どもの環境に寄り添う児童館の役割

2018.12.24

全国の児童館を支援する一般財団法人児童健全育成推進財団は、2018年12月17日(月)に、児童館ガイドライン改正セミナー「最新動向と現場実践から学ぶ 児童館・児童クラブの未来」を開催しました。ココフル読者にとって、児童館は地域の居場所として大切な存在となるはず。その改正のポイントは、どこにあったのでしょうか。レポートします。

▲一般財団法人児童健全育成推進財団 理事長 鈴木一光氏

鈴木氏が開会の挨拶をし、子どもたちや児童館を取り巻く環境について話した後、厚生労働省 子ども家庭局子育て支援課健全育成推進室 児童健全育成専門官 佐藤晃子氏から、従来の「児童館ガイドライン」の概要と、今年10月改正がされた背景や意図について報告されました。



▲厚生労働省 子ども家庭局子育て支援課健全育成推進室 児童健全育成専門官 佐藤晃子氏

◆子どもの意見を尊重し、居場所づくりに重点を置く改正

今回の改正は、子どもや子育て環境の変化に応じ児童館の機能を強化するため、子どもの意見を尊重し子どもが主体となる居場所づくりや子育て支援の環境づくりの支援を目的としています。

<改正のポイント>
従前の児童館ガイドラインの6項目25節から9章構成39項目、14700字に拡充し、よりわかりやすく職員にとっても具体的に参考になるような内容にしています。

ポイントは以下の点です。
1.児童福祉法改正及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子どもの意見の尊重や子どもの最善の利益の優先などについて示しています。

2. 児童福祉施設としての役割に基づき、児童館の施設特性を新たに示し、1.拠点性 2.多機能性、3.地域性の3点に整理しています。

3. 子どもの理解を深めるために、発達段階に応じた留意点を示しています。

4. 児童館の職員に対して、配慮を必要とする子どもへの対応として、いじめや保護者の不適切な養育が疑われる場合などへの適切な対応を求めています。

5. 子育て支援の実施について、乳幼児支援や中・高生世代と乳幼児ふれあい体験の取り組みの実施など内容を追加しました。

6. 大型児童館の機能・役割について新たに示しています。

佐藤専門官は、児童館ガイドラインをベースに各児童館で振り返りをし、それぞれの地域性などに合わせて実践に役立ててほしい、と締めくくりました。

最後に、一般財団法人児童健全育成推進財団 部長阿南健太郎氏が、児童館ガイドラインを各児童館でどのように具体化していくかということについて、発表しました。


▲一般財団法人児童健全育成推進財団 部長阿南健太郎氏

阿南氏は、
・遊びによる子どもの育成・子どもの居場所の提供・子どもが意見を言える場の提供・配慮を必要とする子どもの対応・子育て支援の実施・地域の健全育成の環境作り・ボランティア等の育成と活動支援、放課後児童クラブの実施といった項目ごとに、全国の児童館で行われている取り組み実績、最新事例を紹介しました。

共働き世帯の増加、核家族による孤立した子育てが問題になっている今こそ、児童館の役割は非常に大きいと言えます。

子育て世代、マタニティからの切れ目のない支援や乳幼児と中・高生世代のふれあい交流、放課後児童クラブの実施と連携など、その役割を広げながら、子どもたちが健やかに成長できるように見守っていきたいものですね。

<児童館ガイドライン改正セミナー>
「多様化する子どもの環境に寄り添う児童館の役割」
~最新動向と現場実践から学ぶ児童館・児童クラブの未来~

概要

■期日 2018年12月17日(月)
■場所 国立オリンピック記念青少年総合センター
■主催 一般財団法人児童健全育成推進財団
■後援 厚生労働省
■プログラム:
・10:00-10:05 開会式
[一般財団法人児童健全育成推進財団 理事長 鈴木一光氏]
・10:05-11:05 児童館ガイドラインの概要(目的/意義)・改正の説明
児童館の概要と施設数の推移、法令等の規定内容の解説
改正作業においてみえた子どもたちを取り巻く環境と課題
これからの地域の児童館の在り方
[厚生労働省 子ども家庭局子育て支援課健全育成推進室
児童健全育成専門官 佐藤晃子氏]
・11:05-11:45 児童健全育成推進財団の概要紹介
子どもが主体となる児童館における取り組み実績、最新事例
児童館から見えた多様化する子どもを取り巻く環境と課題
遊びのプログラムの検討について
[一般財団法人児童健全育成推進財団 阿南健太郎氏]
・11:45-12:00 質疑応答

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