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家庭でのベジトレで、子どもの病気リスク低減!

2018.12.22

◆風邪をひきやすい子とひきにくい子の差は何?

寒さが本格化し、風邪をひきやすくなるこれからのシーズン。家庭でも、うがいや手洗いなど、気を付けているはずなのに、風邪をひきやすい子とそうでない子がいるのはなぜでしょうか。

生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)が子どもの「風邪」と「野菜摂取量」に着目した調査を行いましたので概要を皆さんにもご紹介します。

【参考:子どもの「風邪」および「野菜摂取」の実態について調査
<調査概要>
・調査対象:3~12歳の子どもを持つ母親500名 ※子どもの年齢で均等割付・調査期間:2018年11月13日~11月16日   ・調査方法:インターネット調査】

◆昨年は、9割の子どもたちが風邪をひいている

調査では、まず「昨年、お子様は風邪をひきましたか?」と聞いたところ、実に約9割(88%)が「ひいた」と回答。また、「風邪により高熱(38度以上)を出した」と答えた割合も、58%と6割近くにのぼっています。

一方で母親たちに、子どもの家庭における野菜摂取量(※1)を聞いたところ、平均は1日あたり「114.9g」という結果に。厚生労働省の推奨する1日あたりの野菜摂取量の目安は、今回の調査対象条件のうち、最も年齢が低い3歳児でも「240g」(※2)とされています。推奨値の半分以下しか野菜がとれていないということになります。
※1:昼食については、学校給食ではなく家庭における食事として回答
※2:厚生労働省が推奨する「4つの食品群の年齢別・性別・身体活動レベル別食品構成」/身体活動レベルⅡ(ふつう)より

◆野菜の摂取量が多いと、風邪をひかない?

そこで今回は、調査対象を「家庭における子どもの1日あたりの野菜摂取量」に応じて、「100g未満」「100~199g」「200g以上」の3グループに分類。

その上で、前問の子どもの「風邪」の実態に関する質問の回答をグループごとに比較したところ、次のような結果になりました。

■「昨年、子どもが風邪をひいた」と回答した母親の割合


・子どもの1日あたりの野菜摂取量が「100g未満」のグループ:89%
・子どもの1日あたりの野菜摂取量が「100~199g」のグループ:90%
・子どもの1日あたりの野菜摂取量が「200g以上」のグループ:77%

1日あたりの野菜摂取量が「200g以上」のグループは、「100g未満」「100~199g」の2グループと比較して、風邪の罹患率が10ポイント以上も低い結果になりました。

◆野菜摂取量が少ないと、風邪をこじらして高熱化する

■「昨年、子どもが風邪により高熱(38度以上)を出した」と回答した母親の割合
・子どもの1日あたりの野菜摂取量が「100g未満」のグループ:65%
・子どもの1日あたりの野菜摂取量が「100~199g」のグループ:55%
・子どもの1日あたりの野菜摂取量が「200g以上」のグループ:43%

さらに、風邪が悪化して38度以上の高熱を出したかどうか尋ねると、野菜を多く摂取したグループと少ないグループでは、20ポイント以上の差が生じていることがわかりました。

野菜摂取量が多い子どもは、風邪をひいても悪化しづらい様子がうかがえます。

一方で、「お子様の野菜嫌いを克服させるために、何かやっていることはありますか?」と聞いた質問では、子どもに嫌いな野菜がある家庭のうち、53%と半数以上が「ない」と回答。野菜嫌い克服のための対策に手がまわっていない家庭が多いようです。

これほどまでに野菜の摂取量と相関関係があることに驚きですね。この背景を踏まえ、専門家の先生にご意見を伺いました。

◆専門家に聞く風邪の予防対策における野菜摂取の重要性

武井智昭(たけいともあき)小児科医/なごみクリニック院長

平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。「めざましテレビ」などの情報番組をはじめとしたメディア出演もおこなう。

●食事や睡眠で免疫力アップ
風邪対策においては、うがいや手洗いなど外からの予防だけではなく、食事や睡眠を通じて「免疫力」をアップさせることが重要になります。

●継続的な野菜の摂取が大事
そして、免疫力を高める上で重要なポイントが「腸内環境」です。免疫細胞は、およそ6~7割と大多数が腸内に存在しています。風邪やインフルエンザのシーズンに野菜やヨーグルトが注目されるのは、これらの食材が腸内に働きかけて免疫細胞を活性化する働きが期待できるからです。ただし、風邪のシーズンだけ野菜をとるのは本質的ではありません。免疫力を高めるには、一時的に野菜の量を増やすのではなく、年間を通じて意識的に野菜をとることが重要です。

 

●それぞれ違う野菜の働き
野菜と一口に言っても、その効果は様々。バランスよく食べたほうがよいのは、野菜によってその効果が異なるためです。
★トマト、カボチャなどの緑黄色野菜には抗酸化作用が高いものが多く、免疫強化につながります。
★キャベツやレタスなどの野菜も食物繊維が多く含まれており、腸内環境をよくする上でおすすめです。
★にんじんなどに多く含まれる「ビタミンA」は鼻や喉の粘膜を強化して細菌が体内に侵入するリスクを軽減してくれます。
★パプリカやブロッコリーには風邪対策の定番である「ビタミンC」が豊富に含まれています。

少しずつ、たくさんの野菜を摂ることが体にとってもよいのですね。

●家庭での「ベジトレ」が大きなカギに…まずは野菜ジュースや野菜スープから

とはいえ、野菜嫌いな子どもに無理やり食べさせると逆効果になってしまうことも。
最近では、子どもを野菜好きにするためのトレーニングを指す「ベジトレ」という言葉も出てきています。

重要なのは、野菜を我慢して食べさせるのではなく、楽しく野菜を食べられるように工夫すること。

●食材の見た目を変える

まずは、おすすめなのが、野菜ジュースや野菜スープ。
野菜嫌いな子どもたちは、形を見ただけで拒否反応を示すことが多いため、まずは食材の見た目を変えてみるのが良いでしょう。

●食べたら、ほめてあげる

そして、ジュースやスープで野菜摂取ができたことをパパやママがしっかりほめてあげると、子どもたちも自信がつくと思います。

●おやつにスムージーや野菜ジュースで、野菜の摂取量を増やす

また最近は、幼稚園児や小学生でも便秘を訴えることが増えているのですが、腸内環境の悪い子どもは、間食にスナック菓子やジュースを食べている場合が多いです。これらを、甘みのあるスムージーや野菜ジュースに変えてみるだけでも、摂取量アップのチャンスが増えます。

●少しずつステップアップ!

その後は、野菜を刻んでカレーやハンバーグなどの好物にまぜこんだり、星やハートの型で形を変えたりと、少しずつステップアップしていけると良いですね。

野菜好きになるためのトレーニングをおこなうことは、目の前の風邪対策だけでなく、子どもの一生の健康を守ることにもつながります。ぜひ、親子で楽しみながら「ベジトレ」に取り組んでみてください。