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画期的!アートになった防災トイレで一石二鳥

2023.09.11

防災用品って、地味だしかさばるし、肝心なときにはどこにあったのかわからなくなったりしがちではありませんか?

9月8日(金)防災トイレとして新たに発表された「Sonae 備絵」が、そんな心配を払拭させてくれる上にとても実用的なものだったので、ご紹介します。

今回この商品を開発したのは、ドリームホールディングスの藤村彩央里さんと石井琴子さん。藤村さんは2016年の熊本地震で被災。石井さんは2017年の九州北部豪雨で被災した経験を持ちます。

石井さん(左)と藤村さん

水や食料より「トイレ」問題が切実

私たちは、知識としては「災害時には、電気・下水道がストップする可能性」を知っていても、実際に経験していないとなかなか実感としてわかりません。今回、実際に被災したお二人のお話を聞けたことは貴重でした。

お二人が被災時に一番ストレスを感じた問題は、水や食料より「トイレ」だったそうです。

水や食料は少々がまんができても、トイレだけはそうはいきません。資料によれば災害が起こってから3時間でトイレに行きたくなった人は31%。9時間以内で71%の人がトイレに行きたくなったそうです。災害が起こり、電気、上下水道がストップすれば、トイレで水は流せなくなります。仮設トイレが届くのに3日以上かかった避難所は約2/3もあったそうです。

災害時にトイレで水は流せない

トイレが使えないと、あふれる排泄物で感染症のリスクが高まったり、トイレを我慢するあまり、水分の摂取を我慢したりといった2次災害が増えてしまうと語るのは、医師である谷口英喜先生。

藤村さんは、用を足すために公衆トイレに行ったところ、排泄物が山積みになっていて悪臭もひどく、生きる気力もなくなるほどだったとのこと。石井さんは、1ヵ月避難所生活を続けましたが、一つのトイレが詰まり、悪臭に苦しんだといいます。

そこで、藤村さんと石井さんが今回防災キットの第1弾として考えたのが、このトイレ用品「備絵」でした。

日常生活に溶け込む防災グッズ

「備絵」は、断水時には水が止まった水洗トイレにかぶせて使うことができます。そういったグッズは以前からありますが、「備絵」が既存のグッズと一線を画すのは、アート作品としてリビングやトイレに飾っておけることです。

アートピースの中にはいざという時に使える「災害時トイレキット」30回分が収納されています(凝固剤・蓄便袋、ウェットティッシュ30回分)。常に目に入るところにあれば、いざというときにどこにあったか探してしまうということもありません。

また、防災キットをギフトとして送るのは地味な感じがしますが、この「備絵」でしたら喜ばれそうです。

「備絵」のアートは、支え合うコミュニティのぬくもりや、未来に向かうポジティブな気持ちなどをイメージして、「備絵」のために描かれた作品ばかりです。この絵を見ながら家族で災害時のリスクマネジメントについて語り合うのもいいのではないでしょうか。

普段から防災意識を高めて、災害時のストレスを軽減

昨今の住居は耐震構造もしっかりしており、避難所より在宅避難の可能性が高くなることを考えると、自宅のトイレで水なしで用を足せるようにすることはとても重要だなと感じました。

今回の新商品発表会に先んじて、医師による災害時『二次健康被害(熱中症・エコノミー症候群・感染症)』対策セミナーも行われ、水が使えないことが多くの2次災害を引き起こす元になることが指摘されました。

水を使わなくてすむトイレの備えのほか、最低限の水の確保、炭水化物以外の栄養の備え、常備薬の確保、エコノミー症候群にならないような対策、ポジティブな声がけによるストレス対策など、多くのアドバイスが上がりました。

正しい防災知識を身につけて備えておくことがストレスの軽減にもつながり、災害時の2次被害を減らすことに直結すると感じました。(取材・ココフル編集部)

日常空間に溶け込む簡易トイレ『sonae 備絵』

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