◆キルギスの子育て
さて、アーシャさんは人文大学の先生で、若干まだ29歳ですが、お子さんは、7歳と1歳の二人だそう。
若くして結婚なさったんですねと聞くと、
「キルギスの人はみんな結婚は早いです。自分のお母さんにも協力してもらって、子育てをしながら働きます。働いている女性は多いですよ」とのことでした。
今回、私はキルギスの首都ビシュケクで2泊、中央アジアの真珠と言われるイシククリ湖を巡って2泊、ビシュケクに1泊という日程のほとんどにアーシャさんはついてきてくれました。
ビシュケクでは市内観光、ビシュケクから車で4時間ほどのイシククリ湖は、アーシャさんの夫のタイルさんが運転手として帯同してくれました。
▲アーシャさん御夫妻
アーシャさんご夫妻が2泊3日で不在にする間、家ではアーシャさんのお母さんが子どもたちの面倒をみてくれたのですね。的確なガイドだけでなく、影でアーシャさんの仕事を支えてくれたお母さんにも感謝です。
さて、アーシャさんの1歳の子は、離乳食を卒業して普通食へうつるころ。キルギスの子どもたちの主食は、多くはパンだそうです。大人はごはん、子どもはパン。
アーシャさんに、食事のときのキルギスの格言を教わりました。
「ごはんのお残しをすると、幸せも残ってしまう」。
ポツンと幸せを残したまま、その場を去ることはできませんね。お母さんやおばあちゃんに「ほらほら、お残しをすると幸せも残ってしまうよ」と諫められて、首をすくめながらご飯を最後まで食べるキルギスの子どもたち、目に浮かぶようです。
▲おいしいパンは、キルギスの子どもたちも大好き♪
◆抱っこひもは使わない
アーシャさんをはじめ、キルギスの人たちは抱っこひもをあまり使うことはないそうです。
実際キルギス滞在中(1週間)、ほとんど抱っこひもを見ることはありませんでした。移動はベビーカーが多く、アーシャさんは、ドイツ製のチッコというメーカーのものを使っているそうです。都会だけではなく、田舎でもあまり抱っこひもを見ることはありませんでした。
▲街中で。
▲スーパーで。
▲こちらは、かわいいおしゃぶりライダーくん
そんなアーシャさん、ビシュケクにある勝利広場というところを案内してくれていたときのことです。いたずらっ子たちが祖国の英雄の像によじ登って遊んでいました。
するとアーシャさんは
「そこは、そうして遊ぶところではないでしょう!」と一喝。
いたずらっ子たちはすごすごと退散していきました。
ほんの1シーンでしたが、日本のお母さんは、他人の子どもをピシリと叱ることができるでしょうか。それも若干29歳で。
逆に他人から自分の子どもが叱られたとき、きちんと受け入れられますか。周りの人と協力して子育てができているでしょうか。
大人がみんなで子どもを見守り、悪いことは悪いと叱れるキルギスの社会に、日本とは違う希望を感じました。
▲公園で遊ぶ子どもたち
▲イシククリ湖の夜明け
(文:宗像陽子)