両国国技館やすみだ北斎美術館など、下町情緒あふれる見どころの多い両国エリア。
両国駅前のひときわ目を引く外観をした「江戸東京博物館」は、大人はもちろん、まだ学校で歴史を学ぶ前の子どもも楽しく過ごせるスポットなんです!
迷いそうなほど広々した館内を、小さいお子さんを連れたファミリーの回りやすいルートや、おすすめの展示物を中心にご紹介します。
目次
最寄り駅は、JR総武線・都営地下鉄大江戸線の「両国」駅。
JRの駅と地下鉄の駅は少し離れていますが、どちらからも徒歩数分の立地です。
駅を出ると、特徴的な外観をした建物をすぐに見つけることができるでしょう。
常設展示室は建物の5階・6階にあり、6階が入口となっています。
駅から展示室への行き方を、JRと地下鉄の順に見ていきましょう。
JR両国駅から来られる方は、西口のロータリーをまわって右手へ進んでください。
「江戸東京博物館」の看板が出ている遊歩道を少し歩くと、建物3階の「江戸東京ひろば」へとつづく階段が見えてきます。
予約なしで入場できますが、新型コロナウィルス感染拡大防止対策のため、1階と3階の入口で検温とアルコール消毒を行っています。
小さなお子さん連れの方や荷物の多い方は、1階の玄関から入館するのがおすすめです。階段・動く歩道は登らずに左奥の案内板に沿って進みましょう。
常設展のみ観る場合は、「常設展」のチケットを購入してください。1階の「特別展示室」を観る方は、「特別展専用券」もしくは「特別展・常設展共通券」を購入しましょう。
総合受付カウンターではベビーカーの貸し出しも行っています。ご利用の方はチケットを購入する際に申し出てください。
1階にはロッカーやおむつ替え台を備えた授乳室があります。※水飲み場は2020年10月現在使用できません。
支度を整えてから、エレベーターで6階へ昇りましょう。ベビーカーは6階の展示室入口でも借りることができます。
3階の江戸東京ひろばから展示室へ行く場合は、ひろばにある「チケットうりば」で入場券を購入してから6階へ。
エレベーターとエスカレーターどちらもありますが、5階まで一気に昇ることのできるエスカレーターは迫力があります。少し大きなお子さんはきっとワクワク・ドキドキしながら展示室へ向かうことでしょう。
都営新宿線で来られる方は、A3出口のエレベーターを降りるとすぐ左手に「江戸東京博物館」の案内版があります。屋根の付いた歩道を進み、レストラン「三笠會館」と階段をまわった奥の1階玄関から入館すると便利です。
常設展示室は天井が高く開放的な空間です。入場すると目に飛び込んでくるのが、江戸時代の記録や絵画を元に復元された日本橋。橋を渡っていざ展示室へ!
橋を渡ると細部まで復元された江戸時代の街や大名屋敷が並んでいて、緻密さとスケールの大きさに目を奪われます。
エスカレーターでメインの展示室がある5階へ。
ベビーカーや車いすの方は、係員さんに申し出ればエレベーターを利用できます。
常設展示室は「江戸ゾーン」と「東京ゾーン」の大きく2つに分かれています。
とても広いので、展示物や解説ひとつひとつをじっくり見ていくと一日あっても足りないくらいです。子どもは興味ひかれる展示物に目移りしながらどんどん先へ行ってしまうかもしれませんが、それでも歴史のエッセンスをたっぷり味わうことができます。
エスカレーターを降りると、江戸時代の長屋が建っています。
それぞれの部屋には、当時の長屋でくり広げられていたであろう、人びとの暮らしが実物大の模型を使って再現されています。長屋の裏手には井戸や神社まであります。
お産の様子や寺小屋の授業といった光景に、子どもたちも興味津々で見入っています。
筆者が絵草紙のならぶ書店の店先や豪華な「神田祭り」の山車に見とれている一方、もうじき4歳になる息子はお寿司やお蕎麦の屋台が気になる様子。
食べ物や本など好きなものを糸口にして、昔のことにも興味を持ってくれると嬉しいですよね。
乗り物好きの子には江戸~大阪間の定期船の復元模型、お人形や洋服の好きな子なら「助六の舞台」(模型)の展示もおすすめ。衣装や道具は現在の舞台で使われているのと同じものが使われているそうです。
日本橋の下をくぐった先は、明治時代から現代までの日本史の歩みをたどる「東京ゾーン」です。
「江戸ゾーン」と同じように、より詳しく学びたい人のための展示や解説が充実している一方で、リアルな復元模型や音声・映像などから、歴史を学ぶ前の子どもも各時代の様子を知ることができるように工夫されています。
明治時代、浅草公園に造られた12階建ての展望タワー「凌雲閣」や、銀座煉瓦街の復元模型などは、時間によってあかりがともったり音楽が鳴ったりして、眺めていても飽きません。
大正時代の和洋折衷住宅や、昭和の下町の木造家屋など、実物大の室内の復元展示も各所にあります。太平洋戦争中の家には、空襲の爆風によって割れたガラスが飛び散らないように紙が貼られ、電灯には灯火管専用のカバーがかけられています。
ひばりが丘団地(現・東久留米市)の復元模型は、室内だけにとどまらず、ベランダの洗濯機や洗濯物までリアルに再現。ぐるりと回れば玄関ドア外側の様子も見ることができます。
「東京ゾーン」でも、息子は食べ物にまつわる展示に興味津々。
モデル献立資料をもとにした学校給食メニューの展示は、1960年代から現代まで10年刻みで再現されています。
昔の電気やトイレはどんなものだったのか知ることができたり、学童疎開先での小学生の一日に着目したり。
パパやママはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃんもいっしょに、「自分が子どものころはこうだった」などと話がはずむかもしれません。
子どもたちに人気なのが「東京ゾーン」の出入り口に並ぶ乗り物たち。
昔の乗り物は固定されてはいますが、どれも乗ってみることができます。
前輪の大きな「ダルマ自転車」は、階段を登って座席に腰をおろしてみると想像以上の高さ。乗りこなすのはさぞや難しかったことでしょう。
案内所の横には、視覚障害の方を対象とした「手で見る展示コーナー」があります。ダルマ自転車や日本橋、凌雲閣など、館内の主な展示物のミニチュアが点字のキャプション付きで展示されており、触って観賞することができます。
館内では「ミュージアムトーク」「えどはく寄席」といった催しも行われています。
博物館WEBサイトや館内の案内を確認の上、ぜひ親子で参加してみてください。
※「ふれあい体験教室」と「ガイドボランティア」は現在休止中です。
なお「江戸ゾーン」と「東京ゾーン」の間にある企画展示室も、常設展の観覧料で観ることができます。
展示は2~3か月ごとに替わります。展示替え中のこともありますので、展示期間や内容は、江戸東京博物館WEBサイト「年間スケジュール」のページでご確認ください。
ミュージアムショップは1階・総合受付横にあります。
博物館オリジナルの絵葉書やアクセサリー、文具などとともに、江戸東京に関する書籍も充実。気になる方はチェックしてみてください。
飲食店は、1階に銀座三笠會館のレストランとカフェがあります。
レストランは、60年前から提供されている「鶏と半熟卵のチキンドリア」ほか、洋食メニューも充実。
子ども向けに、ドリンクバー付のキッズプレートもあります。
1階と3階にある自動販売機で飲み物を買って「江戸東京ひろば」のベンチでひと休みするのもおすすめです。
また、レトロな外観の両国駅の駅舎内には観光案内所や多目的トイレがあり、和食店が軒を連ねています。帰りに立ち寄ってみるのもいいですね。
「江戸東京博物館」、小さな子どもが興味を持ちそうな展示物もたくさんあり、3歳の息子も楽しんでいました。
小学生以上のお子さんは学校の授業や修学旅行などで訪れることもあるかもしれませんが、親子で訪れるにもおすすめのスポットです。
休憩スペースも充分にある広い館内を、歴史に触れながらお散歩してみてはいかがでしょうか。
取材・文/ 桐谷きこり
名称 | 江戸東京博物館 |
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WEB | https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/ |
営業時間 | 9:30~17:30 ※入館は閉館の30分前まで。 |
定休日 | 毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌日)、年末年始 |
住所 | 東京都墨田区横網1-4-1 地図を見る |
アクセス | 【電車】JR総武線 両国駅西口下車 徒歩3分 都営地下鉄大江戸線 両国駅 A3・A4出口 徒歩1分 【バス】都バス錦27・両28・門33系統、 墨田区内循環バス「すみだ百景すみまるくん・すみりんちゃん(南部ルート)」 「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、徒歩3分 |
料金・参加費 | 常設展観覧料(企画展観覧料を含む): 一般 600円 大学生・専門学校生 480円 中学生(都外)・高校生・65歳以上 300円 中学生(都内在学または在住)・小学生・未就学児童 無料 ※中・高・大学・専門学校生の方は学生証、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証・運転免許証など)の提示が必要。 ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方及びその付添いの方(2名まで。入館の際は障害者手帳等の提示が必要)は無料。 ※団体で見学する場合は、別途料金設定等あり。詳細は博物館WEBサイトをご確認ください。 |
お問合せ | 電話(代表): 03-3626-9974 |
駐車場情報・駐車料金 | 大型バス及び身障者優先駐車場あり。その他の車は近隣の民間駐車場を利用。 ※東側の清澄通り沿いに、普通乗用車用コイン式駐車場 (15分100円/収容台数10台)あり。 |