地下鉄神保町駅から徒歩1分。雨でも濡れる間もなく店に到着するアクセスの良さがうれしい素敵な本屋さん「ブックハウスカフェ」をご紹介します♪
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店内に入ると、ふわーっと柔らかな空気感。静謐な図書館とも違う適度なざわめき。本だけではなく、絵本に出てくるキャラクターのぬいぐるみや雑貨などが所せましと配置されていて、大好きな絵本の仲間たちがそこここから顔を出すので、大好きなお友達に囲まれているような感覚にもなります。キャラクターは、例えばそらまめくん、11ぴきのねこ、ぐるんぱ、こんとあき、こぐまちゃん、うさこちゃん、など。
センスの良いおしゃれな雑貨屋さんの、適度に雑然とした雰囲気もあります。
絵本がたくさんありすぎて、どこから見ていいか戸惑う人もいるかもしれませんが、入口すぐのところに「ブックハウスカフェおすすめあかちゃん絵本」や、絵本専門誌&朗読指導者ユニットPeek‐a‐booの選書コーナーなど、手を伸ばすきっかけになるコーナーが何かしらありますよ。
若いカップル、お年寄り、ファミリー、子ども。様々な年代の人が、本を選び、楽しみ、お茶を飲み、また本を読んでいます。パパに本を読んでもらう子、ママに読んであげる子、甘える子、ぐずる子、お茶を飲みながらおしゃべりに興じる人、熱心に読む人、様々です。
ふと上を見上げると、天井にはほっこりと見守ってくれるような大きな太陽と月と雲のイラスト。これは、子どもの方がすぐに気が付くそうです。
「なぜなら、子どもはいつもママやパパの顔を見上げているでしょう?だから天井の絵にすぐに気づくんですよ」と教えてくれたのは店長の茅野さんです。
ブックハウスカフェは、2017年にオープンしましたが茅野さんはブックハウスカフェがオープンする前の「ブックハウス神保町」で長く働いていました。「ブックハウス神保町」が閉店したときに、2階の老舗洋古書店「北沢書店」の今本義子さんに相談。本の街神保町で唯一の新刊児童書専門店とカフェ&バー「ブックハウスカフェ」として新たなスタートを切りました。
全体的に良質で素敵な絵本が多い印象で、古くから読まれている本から新刊、硬派な大人向けの本もあり、多種多様な品揃えです。昔、慣れ親しんだ本ががっつりシリーズであってうれしくなったりもします。
このお店は、なぜこんなに居心地がいいのでしょう。店長の茅野さんに伺いました。
「誰でも楽しめる本屋なんです」と店長の茅野さん。
具体的にはどういうことでしょうか。
「0歳から130歳まで同じものを楽しめるジャンルってなんだかわかりますか?絵本なんですよ」と茅野さん。
150㎡の店内の中央にドーンと約30人が座れるカフェスペース。そこでゆったりと飲食が楽しめるので小さな子連れで下の子がぐずったりしたときにも困りません。疲れたお年寄りも休めます。そのカフェスペースをぐるりと取り囲むように、1万冊を超える本がおいてあります。
小さな子どもでも本を選べるように低い位置にも本がたっぷり置いてあり、小さな椅子がところどころにおいてあるので、子どもはまるで自分の家のリビングにいるようにリラックスして本を読んでいました。ベビーカーや車いすでも店の奥までずっと入れるように通路は広めです。
そして「誰でも」という意味は年齢だけではありません。
ベビーカーや車いすユーザー、またすぐに大きな声を出してしまい、人のいるところには行きづらいと感じている子どもやその親、そのほかどんな人でもスタッフ全員がウェルカムの気持ちで迎えてくれると言います。メインスペースの奥にももう一つ「ガリバー」という名の静かなカフェテリアがあり、絵本の原画に囲まれて自由に本を読み、ティータイムを過ごすことができます。授乳コーナーやトイレ前にはおむつ替え台もありますよ。
店の右奥には小さなギャラリー「こまどり」があり、取材日にはゆーちみえこさんの原画展が開かれていました。作家のゆーちみえこさんは、ギャラリーで似顔絵を描いたり、カフェでお茶を飲みながらおしゃべりをしたり、とても楽しそうにブックハウスカフェ内を自由に行ったり来たりしていました。
さまざまなイベントや原画展はいつでも行っているそうなので、何度行っても新鮮な気持ちで楽しめそうです。
飲み物、やケーキセット、お食事ができます。子ども用のメニューもあります。
ブックハウスカフェでは、1冊1冊吟味して注文をしているとのこと。気を付けているのはセレクトしすぎないことだと言います。たくさんの本の中から選んでほしいから、絵本から子育て、政治まで、子どもから大人まで楽しめる本を多種多様そろえています。子どもの本を買いに行って、ついつい大人も興味の向く本を見つけて夢中になってしまうって、とてもすてきなことだと思いませんか。
当初、店にはいったときに感じた、ほどよいざわつき感。茅野さんに伺うと、それも店として目指していることだそう。
静かな店にしてほしい人もいる。にぎやかな店にしてほしい人もいる。雑貨はもっと置いてほしい人もいるだろうし、絵本だけおいてほしい人もいるかもしれない。誰にとっても100%満足のいく店にすることはむずかしいので、まあまあいいか、みんなそれぞれがお互いを認め合って、それぞれが60%満足できる店にしたいと茅野さんたちは考えたそうです。
「だって、それが社会というものでしょう?」とニコリ。
まずは2周、3周と心ゆくまで店内を回ってみて。疲れたら真ん中のカフェスペースでおいしいお茶やお菓子をどうぞ。そしてまた2周、3周と楽しんではいかがでしょう。もちろん好きな場所に釘付けになるのも、またよし。時のたつのを忘れますよ。
誰でも集えて、みんながそれぞれ自分の楽しみを見つけることができる。そんな素敵な本屋さんでした。(取材・文 宗像陽子)
名称 | ブックハウスカフェ |
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WEB | https://www.bookhousecafe.jp/ |
営業時間 | 11:00~18:00年中無休(年末年始を除く) ※バー「リリパット」は20:00~23:00(お電話でお問い合わせください) |
定休日 | 不定休 |
住所 | 101-0051 東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1F 地図を見る |
アクセス | 都営三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線「神保町」駅より徒歩1分 A1出口を出て右側。ベビーカー利用の場合はA2出口が便利。 |
お問合せ | 電話:03-6261-6177 |
駐車場情報・駐車料金 | なし |