「軽井沢絵本の森美術館」第2展示館
軽井沢にあるガーデンミュージアム「ムーゼの森」。
緑豊かな敷地内に「軽井沢絵本の森美術館」「エルツおもちゃ博物館・軽井沢」を有し、四季折々に移り変わる美しいガーデンを散策しながら、さまざまな絵本や木のおもちゃを観ることができます。
館内には、木のおもちゃで遊んだり、絵本を読めるコーナーも。大人はもちろん、子どもも文化や芸術にたっぷり触れられるスポットをご紹介します。
目次
「ムーゼの森」までは、JR・しなの鉄道「軽井沢」駅より車かタクシーで10分ほど。来館者専用駐車場は駐車無料です。
駅から少し距離がありますが、循環バスや急行バスを利用すればアクセスしやすい立地です。近くに「軽井沢タリアセン」や「風越公園」ありますので、合わせて立ち寄るのもおすすめです!
入館受付で、2館とも観られる共通セット券か、単館の入館券を購入してください。
「エルツおもちゃ博物館・軽井沢」側にあるミュージアムショップやカフェは、入館券なしで利用することができます。
まずは「軽井沢絵本の森美術館」へ!
英国人のランドスケープデザイナー、ポール・スミザー氏の手がけた「ピクチャレスク・ガーデン」には、3つの展示館、絵本図書館、イベントスペース「森の家」の建物が点在しています。
軽井沢の気候に適した原生植物に囲まれたガーデンでは、訪れる季節によって移り変わる風景を楽しめます。私達が訪れたのは雨上がり。緑鮮やかな草木や野の花は、ため息の出るような美しさ!おとぎの国に迷い込んだような風景が広がっていました。
展示館をめぐる小路はバリアフリーで小さな子どもも歩きやすく、ところどころに休憩用のベンチもあります。ベビーカーでもゆったりめぐることができる散策路です。
木組みの外観が特徴的な第1展示館。1階では、絵本の起源となった『世界図絵』や、欧米の絵本史を築いたイラストや初版本、絵本を手がけた画家・木葉井悦子氏にまつわる資料を展示。英米児童文学研究者・美術館名誉顧問の吉田新一氏の書斎をイメージした文庫もありました。
エントランスホールは吹き抜けになっていて、2階の窓からやわらかな陽が差しています。好奇心旺盛な子どもたちは、さっそく木の階段を登りはじめました。
階段の上には、休憩スペースが!
三方の窓からはそよ風に揺れる木々が見え、小鳥のさえずりも聞こえてきます。とても居心地が良く、子どもたちもアンティークな椅子に腰かけてしばしくつろいでいました。
次に訪れた第2展示館では、絵本や物語、伝承などをテーマにした企画展を開催。私達が訪れたときは、『フェアリーテイルの世界』を開催中でした。「シンデレラ」や、「ジャックと豆のつる」といったおなじみの物語を、妖精という切り口から紹介。貴重な絵本原画も多数展示されていました。
春・夏・秋冬ごとに企画展示の内容も変わるとのこと。ミュージアムの公式WEBサイトで最新情報をチェックしてみてくださいね。
小さな子どものいるファミリーにおすすめなのが、2016年に開設された第3展示館。
ここには、絵本『ピーターラビットのおはなし』シリーズを紹介する常設展示が!
パネル展示や映像を通して、作者のビアトリクス・ポター™の生涯や絵本『ピーターラビットのおはなし』シリーズのひみつに迫ることができます。
室内の書架には、『ピーターラビットのおはなし』シリーズの絵本がずらり。手にとって読むこともできます。
展示パネルがクイズ形式になっていたり、館内のあちこちにピーターラビットと仲間たちのぬいぐるみが飾ってあったりと、親子でピーターラビットの世界に浸りながら過ごせました。
敷地内には絵本図書館も!
あたたかみのある木製の書架に囲まれた図書館では、約1,500冊の絵本を所蔵。館内の閲覧席で読むことができます。
洋書の絵本が中心ですが、日本語の絵本や児童書も並んでいました。
娘も、書架に並んでいる絵本の中から1冊抜き出して閲覧席へ!
読んであげようとしたら、「じぶんでよむ!」とのこと。よそ行きの気分なのか、しゃんと背筋を伸ばしてページをめくっていました。
絵本の世界に浸った後は、道路を渡って「エルツおもちゃ博物館・軽井沢」へ向かいました。
「エルツおもちゃ博物館・軽井沢」は、ドイツ・エルツ地方の伝統的な木工おもちゃや、ヨーロッパの知育玩具を収集・展示するミュージアム。
くるみ割り人形やパイプ人形など、職人たちによって300年以上に渡り受け継がれてきた伝統文化の息づくおもちゃの数々を観ることができます。
ドイツ東部のエルツ地方は、かつては鉱業で栄えていたとのこと。鉱業の衰退とともに、それまで副業的に行われていた、おもちゃをはじめとする木工品づくりが盛んになったという歴史があるのだそうです。
坑道のようなトンネルを抜けて、展示室へ!
2022年3月2日から10月3日までの期間は、「木のおもちゃの物語~おもちゃの町、ドイツ・ザイフェンを巡ろう!~」が開催されていました。ドイツ・エルツ地方の中でも、おもちゃの町として名高い「ザイフェン」の木工おもちゃが展示紹介されています。
エルツ地方の伝統的なおもちゃとして親しまれてきた、くるみ割り人形。
実際にくるみを割ることができるのは、60cm以上のサイズのもののみ。それ以下の小さなサイズのくるみ割り人形はインテリア用なのだそうです。
館内では、メルテン工房制作の実用的なくるみ割り人形をはじめ、希少なおもちゃを観ることができます。
鉱業で栄えた地方らしく「鉱夫」の姿をしたくるみ割り人形や、ドイツで人気の職業「林務官」のくるみ割り人形なども。
「イースター」をはじめとする伝統行事なども、おもちゃのモチーフになっているとのこと。
エルツ地方の生活や歴史の偲ばれるおもちゃが並んでいました。
館内には、木工おもちゃの体験コーナーも!
エルツ地方のおもちゃをはじめ、ヨーロッパの知育玩具や日本の木のおもちゃで遊ぶことができます。
子どもたちも、大きなテーブルで木琴を叩いてみたり、パズルや積み木を組み立てたりと、ひとしきり遊びに熱中していました。
「エルツおもちゃ博物館・軽井沢」に隣接する「木のおもちゃのお店」と「絵本のお店」も、ぜひ立ち寄ってほしいスポットです。
「木のおもちゃのお店」には、ドイツ・エルツ地方の伝統的なおもちゃをはじめ、ヨーロッパの知育玩具などを展示販売。あたたかみのある木のおもちゃは、子ども用やプレゼント用にも、自宅のインテリアとして飾るのにもおすすめ。珍しいおもちゃを眺めているだけでも楽しめます!
「絵本のお店」に入ってすぐのコーナーには、「軽井沢絵本の森美術館」で原画が展示・紹介されていた絵本が並んでいて、絵本作家のサイン本もありました。
長年読みつがれてきた絵本や、新刊絵本など、品揃えも充実!
絵本のキャラクターをあしらったグッズや文具、ピーターラビットのグッズなどもいっぱい。
お気に入りのおもちゃや絵本を見つけてくださいね♪
歩きつかれたら、カフェ「ルーエ」でひと休み。
メニューは、野菜たっぷりでヘルシーな特製サンドイッチとケーキなどのほか、地産ジュース(もも・りんご・ぶどう)や、炭酸入りのりんごジュースなども。そよ風の気持ちいいテラス席もおすすめです!
いかがでしたでしょうか?
大人向けの展示も充実している一方、小さな子どもも楽しめるミュージアムでした。ミュージアムショップに隣接したトイレには、オムツ替え台もあります。
絵になるフォトスポットもあちこちにあり、素敵な写真も撮れますよ!
絵本やおもちゃの世界を楽しみながら軽井沢の風土に触れられる「ムーゼの森」。ぜひ家族で訪れてみてください。
取材・文/ 桐谷きこり
名称 | ムーゼの森 |
---|---|
WEB | https://museen.org/ |
営業時間 | 9:30〜17:00(最終入館は閉館時間の30分前まで) ※3月・4月・11月・12月・1月は10:00~16:00 |
定休日 | 毎週火曜日(GW期間中および7月~9月は無休) 展示替え期間および冬季(1月中旬~2月末) ※最新情報は公式WEBサイトのカレンダーをご確認ください。 |
住所 | 長野県北佐久郡軽井沢町長倉182(ムーゼの森) 地図を見る |
アクセス | 【電車・バス】 JR・しなの鉄道「軽井沢」駅よりタクシー約10分。 「軽井沢」駅からバス利用の場合は、北口1番バス乗り場より軽井沢町内循環バス(東・南廻り線)に乗車し、「風越公園」または「塩沢湖」バス停で下車。又は、北口4番バス乗り場より急行・塩沢湖線に乗車し、「絵本の森美術館」バス停で下車。 【車】 関越自動車道「練馬I.C」から「藤岡JCT」経由、上信越自動車道「碓氷軽井沢I.C」まで約1時間40分。碓氷軽井沢I.Cからムーゼの森まで約15分。 |
料金・参加費 | 【軽井沢絵本の森美術館】 ※ピクチャレスク・ガーデン入園料を含む 大人 950円 中学・高校生 600円 小学生 450円 小学生未満 無料 【エルツおもちゃ博物館・軽井沢】 大人 750円 中学・高校生 500円 小学生 350円 小学生未満 無料 【上記2館共通セット券】 大人 1,400円 中学・高校生 900円 小学生 650円 小学生未満 無料 |
お問合せ | 電話: 0267-48-3340(代表) |
駐車場情報・駐車料金 | 専用駐車場あり。「ムーゼの森」利用者は駐車料金無料。 |