今日ご紹介する本は答えのない道徳の問題「どう解く?」(ポプラ社)です。
答えのない道徳の問題「どう解く?」・文 やまざきひろし・絵 きむらよう にさわだいらはるひと ポプラ社
子どもって、いろいろなことを聞いてきますよね。一体なんて答えていいかわからないようなこともしばしばです。そんなときに、どうしていますか?
たとえば、
「ケンカをしたら怒られるのに、国と国のケンカはどうして怒られないの?」
「『人の嫌がることはしちゃだめ』ってお母さんは言うのに、どうしてお母さんはぼくのいやがる勉強をしなさいって言うの?」
「どうして正義のヒーローは悪者を殴っていいの?」
まず、子どもたちに向き合って、子どもたちの心に耳を傾けてみなければ!と思っても…。
ああ、そんなことを聞かれて、いちいち考えていたら夕飯の支度もできやしない!
「そうだから、そうなの!」とか
「今はとにかく早く歯磨きして寝なさい!」などと、
答えもせずに、ごまかしていることはありませんか?
この本には、子ども自身が真剣に考える余白があります。じっくりと考えさせてあげましょう。それから大人もいっしょに考えてみましょう。時間はたっぷりかけていいんです。
吹き出しに書かれた小学生のいろいろな意見もあるので、まるでクラスでみんなとワイワイ話しているような楽しさもあります。
「あ。これ同じ意見だ」「こんなことを思う人もいるのね」と語り合ってもいいですね。
そして、うれしいことに子どもの気持ちになって考えてくれる著名人の意見も載っています。
うまく言葉にできなかった私たち大人は、「お。おお。なるほど」と感心し、一安心。
どう解く?に参加してくれたのは、池上彰、増田ユリヤといったジャーナリスト、能町みね子・平松陽子といったエッセイスト、ミッツ・マングローブや詩人の谷川俊太郎さんなど、とても多彩な顔触れで、我々にとってはとっても頼もしいお助け隊ですよ。
その答えがまた秀逸で、とても参考になります。
ぜひ手に取って読んでみてください。イラストもかわいくて色の美しい装丁です。
パラパラめくって、好きなページから見ても良し。
それとも、目次を見て「うん。これ気になる」というページから見ても良し。
いつでも手元に置いて、自由に使ってみてはいかがでしょう。