新米ママにはとっても頼りになる育児書。
でも、こうしたほうがいい、ああしたほうがいいとあることで
逆にストレスの種になったりも。
この際、育児書のたぐいはちょっとどっかへぶん投げとくとしまして、
たまには漫画でも読んでみない?
実は漫画家さんって子どもが生まれると
エッセイ漫画を描く人ってすごい多いんです。
それだけ赤ちゃんはネタの宝庫ってこと!?
けっこう意外な漫画家さんも子育てマンガを描いてたりして……。
今回はその中から肩のチカラをふっと抜ける、ゆるゆる系育児マンガ3冊をご紹介します。
◆「ママはテンパリスト」 (C)東村アキコ/集英社
ママはテンパリスト1 (C)東村アキコ /集英社
「ひまわりっ」やドラマ化もされた「主に泣いてます」などで知られる
女性漫画家・東村アキコさん。
彼女が描く愛息・ごっちゃんとの生活は、
ジワジワ来る笑いが至るところに散りばめられてて面白い!
サブタイトルに「すいません 育児ナメてました」とあるように、
想像の斜め上を行く大変さにテンパってるとこも
世のママたちの共感ポイント。
「育児はこうするべき」的な押し付け感や説教臭さがまったくなく、
「断乳してくれないからおっぱいにゴルゴ13の顔を描いて怖がらせてやったぜー」なんて
くだらないエピソード満載で安心して笑えます。
ごっちゃんファンになった人は、
ただいま「モーニング」で連載中の「メロポンだし!」もオススメ!
(ごっちゃんがモデルだそうで)。
◆「まんが親」 (C)吉田戦車/小学館
まんが親 (C)吉田戦車/小学館
「伝染るんです。」で一世を風靡した吉田戦車さんも
育児マンガ界に参入ですよー!
男性目線なのとシュールテイストな絵柄なのと
ご本人のキャラとのすべてがあいまって、
これまた読んでてニヤニヤ笑える仕上がりとなっております。
なんだか視線を感じてふと見ると
寝ていたはずの赤ちゃんがカッと目を見開いていたり、
どーーーしても立ち食いそばが食べたくなって
抱っこ紐のままキツイ体勢で食べだりだとか、
そういう「わかるわー!」が読んでてツボに入っちゃう。
奥様・伊藤理佐さんもまた
「おかあさんの扉」という育児エッセイマンガを描いていますので、
合わせて読むのも一興です。
◆「うさぎドロップ」(C)宇仁田ゆみ/祥伝社
うさぎドロップ (C)宇仁田ゆみ/祥伝社
育児マンガというとエッセイ系が多いですが、
これはストーリーマンガでアニメ化や映画化もされている作品。
あらすじを簡潔に書くと、
主人公・ダイキチ(30歳)は死んだ祖父の隠し子・りん(6歳女の子)を引き取り育てることに。二人の共同生活を描いたハートフルな物語。
いろんなドタバタがあれど、
ダイキチの優しさとかりんのかわいらしさに読んでて心があったかーくなるんです!
男性主人公のストーリーマンガだから、
共感するところってそんなにないかと思いきや、
現在子育て真っ最中のママの胸にも刺さるところがいっぱい!!
たとえば1巻で、りんを保育園に預けて働くことになったダイキチの苦悩。
「な…なんかさーー 頭のいー人が行くよーな
どでかい会社にはさーー
会社に託児室とやらがあったりすることもあるらしーじゃねーか…
でもそれってどこの国の話っスカ!?」
これを見た目コワモテ系なダイキチが
頭かかえて悩んでるから面白いんだよなぁ。
もうひとつ。
りんを引き取ったことで
自分の仕事にも支障が出てくるダイキチ。
自分の母親に
「今まであたしがどれだけ自分を犠牲にしてきたか」
と言われたことを思い出してちょっとヘコむ。
自分は母の犠牲者だったのか、子育てってそういうものなのか、と。
りんのことではいくつも大変なことがあるけれど、
ダイキチが出した結論はというと
「今、俺が“これは犠牲じゃない”って言い切るのはウソくせーから
何年か後にそう思えたらいいなと思う」
保育園の制服を着て歩くりんの手をつなぎながら
ダイキチがそう思うんですよね。
やー、もう泣いた、ここ!
どうしても「子どもがいなければもっと◯◯できたのに」って思うとき、
母親ならありますよね?
もっともっと仕事がしたい!
帰る時間を気にせずに外出したい!
どうして寝てくれないの!?
どうしてこんなときに熱出すの!?
私なんてしょっちゅう。
でも、それで罪悪感を持たなくてもいい。
今はちょっぴりしんどくても、何年か後、子育てがちょっと落ち着いたときに
「子どもたちは自分の犠牲じゃない」って思えてたらそれでいいんじゃないか。
そう素直に思えました。
途中からりんも高校生に成長していたり、
ラストについては賛否両論だったりしますが、
でも個人的には大好きで超オススメなマンガです。
以上、「肩のチカラが抜ける!ゆるゆる系育児マンガ3冊」、いかがでしたか?
皆さんがゆるーくたのしーく育児を続けていける助けになれば幸いです。
(野辺裕子)