こんにちは! 旬八青果店バイヤーの松根です。
2019年も「新鮮・おいしい・適正価格」の旬の青果を皆様にお届けできるよう、旬八青果店スタッフ一同頑張ります!
今年最初のテーマは「いちご」です!
クリスマスケーキ、お正月のデザート、お土産…赤くキラキラ輝くいちごをショートケーキの上やデパートで見かけた方も多いのではないでしょうか。
みんな大好きないちごですが、育てるための旬の時期っていつだかご存知ですか?
今回はいちごシーズンに知っておくとよりいちごが楽しくなる、そんな情報をお届けします!
◆夏に実をつける「いちご」
冬のイメージが強いいちごですが、元々いちごは春の終わりから夏の初めに食べられる果物でした。そのため俳句では今でも「いちご」は初夏の季語になります。
ケーキにいちごが使われることが増え、特に冬のクリスマスシーズンには「クリスマスはいちごの乗ったショートケーキ」というのが主流になってきたことと、施設栽培が盛んになり、栽培時期をずらせるようになったので、冬の出荷が主流になりました。
現在は甘いいちごが人気ですが、暑い日が続く夏ではその暑さに耐えられるように、実がしっかりしていて酸味があるのが特徴です。私たちがイメージする寒い時期の甘いいちごとはまた違った甘酸っぱいいちごが夏のいちごになります。
◆夏生まれのいちごを冬に収穫するには?
さて、そんな夏に実をつけるいちごですが、どうやって夏から冬に実を成らせるかというと、いちごの「冬を感じてからでないと実をつけない」という性質を利用しています。
いちごは次の世代が生き生き育つ時期を選んで実をつけます。いちごで言うと、春の終わりから夏にかけて冬の寒い時期を感じることで、春・夏を認識しているのです。
冬に収穫するためには、夏に「冬が来た」と思わせなければなりません。そのためいちごは夏に暗い冷蔵庫に苗ごと入れたり、産地によっては山あげといって、苗を標高が高く気温の低い場所に移動させたりして、日の当たる長さや気温を調整します。
そして、秋口に定植して暖かい施設に入れることで春の訪れを感じてもらうのです(これを「春化処理」といいます)。この方法で栽培することにより冬に実をつけ、収穫できるようにしています。
クリスマスにショートケーキが主流となったように、いちごの需要が最も高まるのはクリスマスの時期。その時期に色や形がきれいなものが収穫できるよう、いちごの感じる季節を調整しているのです。
また、いちごはその年の収穫分の植え付けをしながら、来年の苗の準備も同時に行います。
いちごは「ランナー」と呼ばれるつる状の茎が生え、地面につくと先端から根を生やして増えてきます。いちごの実にも種がついていますが、ランナーと呼ばれる苗で育つことにより、同じ親と同じ性質を持ついちごがたくさん育てられるようになっています。
◆一粒で満足できるいちごが人気
夏のいちごは甘酸っぱいとの話がありましたが、現在では大粒・柔らかい・甘いなどの一粒で満足できるいちごが主流になってきています。
以前はいちご売り場の横に練乳が必ず置いてあったり、練乳をかける食べ方が主流でした。ですが今は品種が発達してきたことで、わざわざ練乳をかけなくてもそのままで美味しいいちごになってきました。
また、「あまおう(福岡県)」を筆頭に「とちおとめ(栃木県)」「スカイベリー(栃木県)」「きらぴ香(静岡県)」など、各地でいちごのブランディングも盛り上がっています!
いちごは品種改良にチャレンジしやすく、各県盛り上がりを見せています。ぜひ出身地や近県の品種を調べてみてくださいね!
◆いちごの選び方&食べ方の豆知識
<選び方>
頭のところまで赤く色がキレイについているものがおすすめ。
店頭で並んでいるものは判断がつきにくいのですが、ヘタが実から離れて「ピン!」とカールしていると、完熟していると言われています。店頭でパックに入ったいちごだと見分けるのが難しいですが、いちご狩りに行かれる際は見てみてくださいね!
<おすすめの食べ方>
傷みやすい果物なので、冷蔵保存で早めに食べきるようにしましょう。また、産地から消費地まで、輸送の距離があるほど移送の揺れや温度変化などの影響も受けやすくなります。
近くの産地の方が比較的完熟に近いものが手に入りやすい傾向にあるので、ぜひ地域の品種にも興味を持っていただけたらと思います!
今出回っているのはそのまま食べておいしい品種が多いので、そのまま食べるのがおすすめ。
サラダに入れたり、バルサミコ酢と一緒にソースにしたり、食べきれないときはジップロックなどにいちごを洗って入れて砂糖をまぶして冷凍庫に入れておくとシロップになるので、炭酸で割ってジュースにしたりお料理に使うのも◎です。
これからホテルのアフタヌーンティーやビュッフェでもいちごフェアが開催されところもあるようですね♪ 今年のいちごシーズンもたっぷりお楽しみください!
■今回の執筆者
松根 拓乃(株式会社アグリゲート 仕入・卸事業部 バイヤー)
鯉淵学園農業栄養専門学校卒。鯉淵学園では、農作物の知識、栽培方法等、農業、農産物について学ぶ。現在は株式会社アグリゲート 仕入・卸事業部で青果知識・商品知識に長けた生産者と消費者を繋ぐバイヤーとして日々仕入れを行う。以前は、販売事業部にてデリカ・飲食グループのメニュー開発も担当。
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記事提供:家men
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