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入園入学前に知っておきたい。食物アレルギーとアナフィラキシー

2020.02.25

アナフィラキシー啓発メディアセミナーがあると聞き、ココフル♪編集部が参加してきました。

 ◆食物アレルギーとアナフィラキシーとは

まず登壇したのは、相模原病院の佐藤さくら先生です。

 


▲佐藤さくら先生
国立病院機構相模原病院臨床研究センター 病態総合研究部

食物アレルギーを持っている子どもは、平成11年度には7.1%だったのが平成26年度には16.7%と増加しており、その対応が必要不可欠となっています。

そもそも食物アレルギーとはどういうものなのでしょうか。

身体の中には免疫機能が備わっていますが、何らかの食物によって免疫が過剰に働き、体に不都合な症状が出てしまうことをいいます。

原因になる食べ物は、平成30年度の資料によれば、卵が34.7%、牛乳が22.0%、小麦が10.6%で、この3つの食物によるアレルギーが多いことがわかっています。そのほかにピーナッツやそばなどがアレルゲンとしてあげられます。

食物アレルギーの皮膚の症状としては、じんましん、皮膚の赤み、目のかゆみ、充血、瞼や唇の腫れ。消化器系の症状は吐き気、腹痛、下痢など。呼吸器の症状では咳やぜんそくなどが出ることもあります。

症状がひどくなり、全身に広がり、様々な臓器に渡ったり、急激に進行することをアナフィラキシーと言い、その中でもショック症状(血圧低下や意識障害など)を伴う状態を、アナフィラキシーショックと言い、命に関わることもあります。

幼児のころには親の監督のもと、アレルギーのもととなる食物を食べないように管理できても、保育園、幼稚園、小学校にあがるにつれ、親の目の届かないところでアレルギーを取り入れてしまうのではないか不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。

◆新しく保育園、幼稚園、学校に入る人のために

学校や保育園では、給食やおやつ、小麦粘土を使った作業、調理実習、修学旅行、校外学習など、アレルギーを起こす可能性があるシーンが考えられますね。

現在、食物アレルギーをもった子どもたちが安全に学校や保育園で生活を送れるように「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」がまとめられ、幼稚園や学校ではそれに従った対処をしています。

 

◆生活管理指導表の活用

食物アレルギーをもつ子の場合、入園入学前に「生活管理指導表」の作成が必要になります。主治医が記載して、保護者が学校や園に提出します。


▲アレルギー疾患生活管理指導表

主治医と保護者が確認して主治医が記載しますが、保護者も、これを機会に医師には止められていないのに、保護者の自己判断や間違った知識が理由で除去している食物はないか、今まで食べたことのない食物はないか、過去の症状の重症度から、給食の提供は可能なのか、遠足や課題授業のときの対応はどうするかなどを、今一度医師と確認します。

園や学校では、これらの指導表をもとに、給食での取り組みプランを決定したり、緊急時に備えた体制の整備などを行います。

◆安心できるサイトで情報収集を。

病院に行くほどでもないけれど、ちょっとアレルギーに関して調べたい。そんなときにどうしていますか。気楽にネットで調べられるのはいいのですが、ネットで収集する情報は必ずしも正しいとは言えないですね。

厚生労働省のアレルギーポータルは、食物アレルギーだけではなく、気管支ぜんそくや花粉症、アナフィラキシーの情報がまとめて載っているので、まず疑問に思ったら、このサイトから調べてくださいとのことでした。

また佐藤先生の監修したアレルギーを持つ人たちを支えるアプリ 「マイエピ」も紹介されました。

症状や検査など、写真も使って記録できる機能、アレルギーの仕組みやアナフィラキシーになったときの対処法などが得られるライブラリー機能、疑問を集めたQ&Aなど、アレルギーを持っている人、知りたい人になくてはならないアプリだと言えそうです。

 

次に登壇した廣瀬氏からは、調布市の現状、教育現場での取り組みの紹介などがありました。

調布市では、2012年にアナフィラキシーで女児が亡くなるという痛ましい事故があり、その後、教育現場におけるアナフィラキシー対策は大きく改善しているそうです。


▲廣瀬郷氏
調布市教育委員会教育部 学務課長補佐

最後に、佐藤さんと廣瀬さんとともに、モデルの長谷川さんが登場。長谷川さんのお子さんは現在7歳で、卵と牛乳のアレルギーを持っています。実際に経験した入園、入学時の不安や対応など母親目線で話してくれました。


▲長谷川理恵さん
モデルであり、食物アレルギーを持つ男子の母

「生活管理指導表は、細かいことまで記入するものの、学校で作る給食は大丈夫か、担任がしっかり把握しているか、配るときに生徒が配るときは大丈夫だろうか、万が一ということがおこらないのか心配でした」

学校に上がる前には、調査票を学校に提出。それほど重度のものではなかったので、学校のお弁当で様子を見て行きましょうという判断になったそうです。小さいころは、乳製品や卵を一口でも食べると顔が腫れてしまうなどの症状がありましたが、今では子ども本人が注意をしていることもありますが、ほとんどアレルギー症状が出ることもなくなったとのこと。

◆子ども自身が、自分のアレルギーについて説明できるように

 廣瀬氏からは調布市の例が語られました。調布市の学校では、誤配、誤食を避けるために、アレルギーを持っている子は最初に配膳をする、調理室から直接その子に持って行くといったルールのほか、目で観てわかる工夫として、子どもが使う食器やトレイの色をほかの子とは分けて、誰でもわかるようにしているそうです。廣瀬氏は「子ども自身が、自分のアレルギーについてきちんと知っており、周りに上手に説明できること、また、クラス全体でアレルギーについて理解をしていくことも誤配や誤食を避けるには大切なこと」と語りました。

◆コミュニケーションを円滑にして、子どもの命を守っていく

前述したアプリ「マイエピ」についても話題となりました。長谷川さんは「もう少し早く知っていればよかったな。自分一人で考えて解決してと思いこまないほうがいいですね」

廣瀬さんは「マイエピは、教職員にとっても自分たちの限られた時間の中で効率的に正しい知識が学べていいと思いました」と感想を述べていました。

食物アレルギーを持っている子の親は、アプリを活用しつつ、子どもにも知識を与えつつ、子どもの主治医や教育現場と上手にコミュニケーションをとって、子どもを安全に守っていきたいですね。

<アナフィラキシー啓発メディアセミナー>

日時:2020年2月21日(金)

場所:ベルサール東京日本橋

 

 

 

 

 

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