〜沢井先生がオススメする、子どもがぐんと伸びるためのメソッド〜
心地よい気候で身体の新陳代謝が高まり、脳も活性化して集中力を高めやすい秋。芸術祭や美術館のイベントも目白押しです。アートはあまり詳しくないけれど、子どもたちには自由な発想と想像力でアートを楽しんでほしい! そんなパパとママのために、「芸術の秋からスタートできる子どものアートな才能を伸ばすための3steps」を、チャイルド・ラボ所長静岡大学情報学部客員教授の沢井先生に教えて頂きました。
目次
アートって、とても広義なものです。人によって、解釈の仕方も様々。もともとは、ラテン語の「アクネ(技術)」が語源ですが、そんなに難しく考えなくても、まわりの世界の「色」「形」「触感」「素材」といったひとつひとつのものに自分なりに楽しく働きかけることがアート。正解があるものではないので、自由に「感じて、動いて、作る」アートを楽しんでみましょう。
秋は、紅葉した枯れ葉、どんぐり、枯れ枝など、自然の産物を摘み取ることなく、拾い上げて観察する機会に満ちています。モミジやカエデの葉の突端の数と形のバランスさえ、幾何学的に面白いものです。例えば、この時に、親が色紙と安全なハサミを持って一緒に出かけます。拾った葉っぱを型紙にして紙の葉っぱを作れば、「ああ、形は増やせるんだ」「モミジの葉っぱの形や根元は面白い形をしているんだ!」というように、ただ眺めるだけでは見逃しがちな微細な違いに手作業を通じて気づくことができます。他にも、自由にお絵描きをして葉っぱをコラージュしたり、土や葉っぱの上に紙の葉っぱを並べてみたり。秋の工作は、家の机で作業をするだけでなく自然の現場で作業をすることで、空の色、土の感触など、すべてを感じ取って表現する最高の機会になります。
・野に出て「自然の産物」を見つけてみよう
・(型紙やコラージュで)手を動かして「自然を模倣」してみよう
・子どもの様子を記録してみよう
子どもが、何をどんな風に見立ててものづくりをしたのか?これは、一緒にいる親だけがわかること。映像や写真、言葉、メモで日付と周りの様子と一緒に記録してあげましょう。そうすることで、後に振り返り成長を実感することができます。「自分の成長と発達に気づくこと」こそ、長い将来においてその子の自信や認知発達にとって大切なことなのです。
難しく考えなくても、身の回りにアートな環境はたくさんありそうですね!もしかしたら、親の方が夢中になってしまう、なんてこともあるかもしれません。親子で、めいいっぱい芸術の秋を楽しんでみましょう。
(編集協力:のびるこラボ)
沢井佳子先生(SAWAI. Yoshiko)
チャイルド・ラボ所長。静岡大学情報学部客員教授。発達心理学を専攻し、認知発達支援と視聴覚教育メディア設計を専門とする。幼児教育番組の「ひらけ!ポンキッキ」制作の心理学スタッフや、大学講師などを経て現職。幼児教育番組「しまじろうのわお!」監修。人工知能学会「コモンセンス知識と情動研究会」幹事。日本子ども学会常任理事。