もうすぐGWですね。今年のGW。どんな予定ですか?
楽しい旅行に行く人もあれば、
夫の実家に行くことでちょっぴり憂鬱な気分の人もいるのでは?
以前、帰省について友人たちと話したことがあります。
お土産に困る。話題に困る。育児のやり方の違いに困る。云々。
しばらく愚痴あり、糾弾あり、怒号あり?笑いあり と
ヨメトークは続いたのですが…。
そのうち、友人Aが話したことが心に残ったので、
ご紹介します。
彼女は、東京育ち。
夫の実家は静岡で、年に2~3回行く程度。
必ず行くときに、夫のほめ話を5つ考えていくそうです。
例えば家庭の中でやってくれてうれしかったこと、会社で褒められた話。
プレゼンがうまくいったとか、お客さんに感謝されたとかなんでもいいので5つ。
仕事関係の話をすると、ご両親は大変喜ぶのだそうです。
お義父さんはしかめっ面で
「そうそう、社会はうまくいくものではない」なんて、
新聞を読み始めたりするけれど嬉しそうなのはアリアリ。
お義母さんに至っては全面的に喜んで
「あらそう!そうなの!あら~ま~」と膝乗り出して大喜び。
それもそうです。
20歳になるかならないかで故郷を出て、それっきりの息子。
大体息子なんざ親に仕事の話なんてしませんから、
親としては子どもが社会にどれだけお役に立っているのか、どれだけがんばっているのか、
本当に知りたいけど、全くわからないことなんですね。
(自分でペラペラしゃべるタイプならいいんですけどね。しゃべらせておけば。)
まあ、ノーベル賞でも貰えば別ですが、
普通の多くの息子の頑張りを伝えてくれるのは、
世界でヨメたった一人。
というわけで、ヨメの株急上昇。田舎に滞在中も快適に過ごせましたという話です。
その話を聞いて、なるほど~と感心したむなかた。さっそく実行することに。
ところが…。
何も思い浮かばない!
家の中のことは
「子どもと遊んでくれます~」とか
「たまに茶碗も洗ってくれます~」とかいいようもありますが、
仕事のことはヨメの私にも何も言わない。
何かないのかな。
この人、会社で何やっているんだろう?
会社の人になんて言われているんだろう?
取引先の人になんて思われているんだろう?
実は私も全然知らないことに、愕然としたんです。
そういえば、以前はもっと聞いたような気がするけれど、
面倒くさがって嫌がるみたいなんでそれっきり…みたいな。
しかし、その時は
「何か3つくらい、仕事の話を聞き出さなければ」
という使命がありますから聞き方も少しずつ。
「今、どんなことしているの?」からすこーしずつ。
あまり自分の自慢をしない夫から、
自分に対するお褒めの言葉を聞き出すのは至難のワザ。
しかも急に根掘り葉掘り聞くのは不自然だし
3つ聞き出すのに半年くらいかかりました!
しかし、半年かけて少しずつ聞くということは、
つまりそれが「夫婦のコミュニケーション」であったのです。
結果「お客さんが喜んでくれて、また契約が続いた」
という言葉をなんとか聞き出せば
「具体的になんて言ってくれたの?」と聞く。
「○○をしたことに対して上司が褒めてくれた」とやっとこさ、引き出せば
「なんて言って褒めてくれたの?」。
少しずつ、社会にどうお役にたっているのかわかる言葉が
ポロっとこぼれ落ちてくるようになりました。
その、砂漠に落ちたコンタクトレンズみたいな珠玉の一粒を(笑)
すかさずキャッチして、メモメモ。
普通だったらそれで翌日は忘れていくところを、忘れないようにメモ!
そして、めでたく次の帰省時には、夫がいない時にこっそり、義両親にお話。
すると、本当に、笑っちゃうくらい本当にお義父さんは、照れくさそうにニコニコ。
お義母さんは「おやそう~!」と膝乗り出して、聞き入ってくれました。
もうすぐ母の日、夫のエピソードを手紙に書いてお花に添えてもいいかもしれませんね。
あらそう~!と喜んでくれる。
時は経ち、すでに義父は亡くなり、義母は少しボケており、
同じ話のリピートでOKという状態。
そのときの褒め言葉がなんだったか、すっかり忘れちゃったってのが、
甚だ残念な現実ではあります。
そして、我が息子二人も大きくなりました。
長男はきっとペラペラしゃべるだろうから、こちらは眉ツバで聞くとしても(笑)、
次男は、どう社会のお役にたっているのかは、将来のヨメさんにぜひ聞きたいと思います。
その時、私はきっと膝を乗り出して「あらそ~。うんうん。それで!」と
ヨメの話に聞き入ることでしょう。 (宗像陽子)