立川駅南口から徒歩8分のところにある「立川まんがぱーく」。ここは、市役所が北口に移転することになった2010年に、残された市の庁舎を使ってなにかできないかと考えられて作られました。ただの漫画喫茶とは一味も二味も違う、親子で楽しめる「立川まんがぱーく」をご紹介します。
目次
まんがぱーくというアイデアが実現した理由のひとつには、立川の地域性があります。立川は、「聖☆お兄さん」をはじめとして、数々の漫画やアニメ作品の舞台となっており「聖地」として立川を訪れる人も多いのです。
元は立川市役所として使われていた建物をリノベーションした施設の2階が「立川まんがぱーく」の入り口です。のらくろが大胆にデザインされた壁が現れてほっとします。
4万冊という膨大な量の漫画の中には「ONE PIECE」や「ドラゴンボール」の英語版まで所蔵。また新旧の作品を多くそろえ、特に学習漫画は、様々な出版社のもの、日本財団の「これも学習マンガだ!」の全タイトル(2022年1月現在200タイトル)が置かれており、娯楽だけではない屈指の品ぞろえです。
全スペース畳敷き。日当たりのいいカフェやテラスで飲食ができるスペースもあり、絵本も2500冊と豊富。階下には、子育てコミュニティ広場があり、子育ての相談や遊び場があります。(現在はコロナ対策のため立川市民のみ利用可能です)
まずは下駄箱に靴を預けます。このキーが入館証となります。靴を脱いでリラックスできるのがうれしいですね。貴重品はロッカーに預けて(無料)、身軽になって中に入りましょう。
コロナ前までは、まんがぱーく内のどこでも飲食可能でしたが、今は食事はカフェスペースか、利用者専用テラスに限られています。とはいえ持ち込みもOK。お湯や電子レンジが使えるので、コンビニで買ってきたものをあたためることもでき、不自由さはありません。
カフェスペースのすぐ横が絵本スペースです。幼児でも手の届くところに2500冊の本があり、流行り物から名作まで一通りの絵本がそろっています。上の子やママが絵本を読み、赤ちゃんが足元の畳の上でゴロゴロしていたりする風景も日常だそう。
すぐそばに授乳室とトイレがありました。
子ども用トイレもついていてとっても広々。子連れ歓迎であることが館内の配置を見ただけで分かります。
大人は利用料が400円で、未就学児は無料ですから、園児と赤ちゃんを連れて行って長時間のんびりしても400円で済んでしまいます。料金が安いのも本当にありがたいですね。
絵本コーナーの奥がいよいよ漫画のコーナーです。
この「立川まんがぱーく」がほかの漫画喫茶と圧倒的に違うのは、明るくて広いことと、もう一つが押し入れ的な個室があることです。実は私も取材したいと思ったのは、この押し入れのようなスペースの写真をみて、とても興味深く感じたからでした。漫画ってどこかに潜りこんで読みたいですよね。
取材日、最初の印象は「すいているな。人がいない」でした。ところが驚いたことにたくさん人がいたのです。それは漫画コーナーの個室にたくさん人が潜っていたからでした。
「あ」とか「か」とひらがながつけられた個室は全部で39個。背をかがめて丸くならないと入れないような小さな自分だけの世界で、皆寝っ転がったり、膝を丸めたり、思い思いの恰好をして漫画を読んでいます。ひとつひとつの個室はシチュエーションや位置が違うので、自分なりのお気に入りを見つけたいところです。すべてのスペースは先着順。1日いても怒られません。(土日祝日長期休みは、午前と午後で入れ替え制)
まんがの貸し出しはありません。マネージャーの高木さんは、「どうしても家で読みたければ、民間の中古漫画を借りられる店に行くでしょう。たぶん、ここに来る皆さんは、ここに来ることに意義を感じているのではないでしょうか。ここの空間にいて、漫画を読んで、疲れたらお茶を飲み、お腹が減ったらご飯を食べて、また戻って漫画を読む。個室でちょっとお昼寝もOKです。どんな過ごし方をされてもこちらは文句を言いません。時間の制限もありません。朝一番から最終までいていただいてもOKです」とのこと。
天国ですか?
館内に流れるBGMもほんわかゆったりしており、居心地が良い館内。何か規則のようなものはないのか伺うと
「特にありません。友達同士で来て、大声でしゃべりたいなと思ったら、テラスに出ればいいし。皆さんその辺は、なんとなくマナーはわかっていらっしゃるので、こちらから特に注意することもありません」とにこやかにおっしゃるのでした。
子ども同士で来ても問題ありません。休みの日には、お弁当持ちでお友達とくる小学生も多いとか。
今学校と家のほかに、子どもがほっとできる「第3の居場所」の必要性が高まっています。「立川まんがぱーく」はまさにそんな場所として、子ども達、大人たちの憩いの場所ともなってくれることでしょう。
現在は感染対策のため、定員は130名に制限されています。混雑状況はツイッターで1日に2回ほど更新しています。
帰り道には、聖地巡りはいかがでしょう。一番近いのは錦第二公園。通称オニ公園です。人気漫画「聖☆おにいさん」や、そのほかたくさんのアニメに登場します。ドラマ「凪のお暇」ではロケ地にもなりました。
このほか立川には聖地はいっぱい。漫画を読んで楽しんで、聖地をめぐって盛り上がり。立川には確かに漫画がしっかり根付くカルチャーがあるようですね。(取材・文 うたたね)
名称 | 立川まんがぱーく |
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WEB | https://mangapark.jp/ |
営業時間 | 平日 10:00~18:00 土日祝日・長期休み 1部 整理券配布8:30~ 利用時間10:00~13:30 2部 整理券配布10:30~ 利用時間 14:30~18:00 1部と2部を両方利用は可。ただしいったん退出のこと。 |
定休日 | 無休 |
住所 | 住所 立川市錦町3-2-26 2F子ども未来センター 地図を見る |
アクセス | JR立川駅南口から、徒歩13分 ※多摩モノレール立川南駅から徒歩12分 ※JR西国立駅から徒歩7分 |
料金・参加費 | 料金 大人(15歳以上、高校生以上) : 400円 小人(小・中学生) : 200円 ※未就学児童は無料。ただし大人が同伴のこと。 |
お問合せ | 電話:042-529-8682(立川市子ども未来センター総合受付) |