表参道で46年間も営業を続けてきた絵本・木のおもちゃ・オーガニックの専門店「クレヨンハウス東京店」が、建物の老朽化を理由に移転すると発表したのが昨年11月。世代を超えて多くのファンに愛されてきたお店なだけに、そのニュースは衝撃とともに広がりました。
そして2022年12月18日、新生「クレヨンハウス東京店」が緑豊かな吉祥寺の町にグランドオープン!
子どもの本の専門店やフェミニズム専門書店の先駆けであり、今をときめくブックカフェの元祖ともいえるクレヨンハウスの新店が、果たしてどのようにリニューアルされたのか。
3歳と5歳の子どもたちを連れて、さっそく遊びに行ってきました。
目次
平日の午前中、人の往来で賑わう吉祥寺駅中央口(北口)。私たちはまず駅前広場の脇を横断し、アーケードに覆われた「吉祥寺サンロード商店街」へと向かいました。
お店までは駅から徒歩6分ほどの道のりですが、2人の幼児を連れて歩くとなると時間もかかるため、できるだけ車通りの少ない道を選びたいところ。
そこでこの日はアーケード街の「サンドラッグ」の先を左折し「コピス吉祥寺」の脇を抜けるルートを選択しました。
吉祥寺通りに出たら信号を渡り、いよいよ「東急百貨店吉祥寺店」の横手に伸びる大正通りへ。こちらの通りは歩行者が多く歩きやすいものの、歩道がなく車もよく通るため気持ちをひきしめて進みます。
すると目の前に、あの愛すべき「クレヨンハウス」のロゴマークが見えてきました。
表参道店時代は、B1Fがレストランと野菜市場、1Fが絵本と子どもの本、2Fが木のおもちゃ、3Fがミズ・クレヨンハウス (女性の本とオーガニックコスメ&アパレル)というフロア構成でしたが、新店舗では以下のようにリニューアルされました。
【1F】
・オーガニックレストラン「広場」
・「ケーキおばさん」のケーキ
営業時間 11:00~21:00
電話 0422-27-1377
・野菜市場(オーガニックフーズ)
・オーガニックコスメ&コットン
営業時間 11:00~21:00
電話 0422-27-1447
【2F】
・絵本・子どもの本 木のおもちゃ 女性の本
営業時間 11:00~19:00
電話 0422-27-2114
※現在【B1F】は展示&イベントスペースとして利用
以前は「子ども/大人(女性)」でゾーニングされていた部分が、「物販&レストラン/書籍&おもちゃ」のくくりで2フロアに再編成されたのは大きな変化です。
「家族のもの/自分(大人)のもの」を同フロアでまとめて選べるようになり、「子どもは絵本、ママは隣で大人の本を選ぶ」といったこともできてとても助かります。
広々とした正面入口から陳列棚やワゴンがのぞく1Fは、脇にも出入口が2ヶ所あり、まるでファーマーズマーケットかフードコートかといった風通しの良さと賑わいにあふれています。
中に入ると、とにかく広い!奥まで伸びる空間は、手前にオーガニックレストラン(ケーキおばさんの手作りケーキコーナーも併設)、壁に沿って奥へと野菜やオーガニック食品を販売する「野菜市場」、一番奥にはオーガニックのベビーケア商品、スキンケア商品、女性向けのアパレルコーナーがあり、かなり盛り沢山。
もしクレヨンハウスを知らない人がふらっと訪れたとしても、充実した“食とオーガニックのお店”として重宝すること間違いなしな品揃えです。
おいしそうな匂いに誘われ、まずはおかわり自由の日替わりランチビュッフェでお腹を満たすことにした私たち。3歳5歳を1人でお世話しながらのビュッフェには不安もあったのですが、大・大・大満足な結果となりました。
ランチビュッフェの時間は11:00~14:00(お料理は14:30まで)、金額は大人(中学生から)1,550円、7~12歳(小学生)1,320円、2~6歳660円。幼児の金額がリーズナブルなので助かります。
何よりも驚いたのが、子どもたちがいつも以上にたくさん食べてくれたこと。息子はふだん野菜とお味噌汁を残してしまいがちですが、この日は自分からどんどん食べて完食。娘も「もっと食べたい」とごはんをおかわり。
素材の味がしっかりしているので、シンプルな味付けでも滋味深くまろやか。これがオーガニック食の底力なのか!と実感しました。
もともと“特にあかちゃんや子ども、すべての人にオーガニック食材の料理を召し上がっていただきたい”との思いで1992年にオープンしたというレストランだからなのか、子連れのお客さんも多く、何かと騒がしい私たち親子へのまなざしもいつも以上にあたたかく感じられました。
またフロア全体が明るく見渡しやすいため、心地よい開放感の中でリラックスして食べることができます。
テーブルのすぐそばにベビーカー置き場があったり、離乳食や子ども向けのお菓子の棚もあったり、さらに「授乳室」や広々とした「多目的トイレ」も完備されており、本当に至れり尽くせりな環境です。突然の「ママ、おしっこ!」コールにも即対応できホッとしました。
お腹もいっぱい、トイレもすませたということで、いよいよ「絵本・子どもの本」「木のおもちゃ」「女性の本」を扱う2Fへ。
中に入るなり「ここはおもちゃ屋さん?絵本屋さん?」と興奮気味の子どもたち。各々の興味の赴くままに絵本を手にとったり木のおもちゃのサンプル品で遊んでみたりしながら、どんどん奥へと進みます。
クレヨンハウスといえば、すべての商品をスタッフが「試して」売っていることで有名ですが、とりわけ絵本は毎月約150〜200タイトルもある新刊絵本を担当スタッフで全て読み、「新刊会議」で厳選された絵本だけが売場に並ぶという徹底ぶり。
また選ばれた絵本はすべて買い取っての販売となり、売れ残ったら取次店に返品する一般的な書店の流通とは異なります。その姿勢には「これぞ」という絵本への愛情と、それを読者に必ず届けようというお店の思いが感じられます。
以前に比べてトータルの売り場面積は狭くなったとのことですが、「座り読みができる」コンセプトは変わらず、本との豊かな時間を各々に楽しめるようになっています。
なんと息子は、いつもだと怖がって避けていた『おとうとうさぎシリーズ』を手にとって、猛然と読み始めました。
一方娘は店内のあちらこちらに置かれた木のおもちゃにすっかり夢中。手押し車を押してみたり、木琴や鉄琴を鳴らしてみたり。
おでかけすると、大抵娘の方が飽きてしまいグズってしまうのですが、この日はついに「もう帰る」コールが出ませんでした。
実は短期間で引越し&移転オープンすることになったというクレヨンハウス。「壁紙をまだ貼っていないフロアもあるし、たくさんあった鉢植えの置き場所も模索中」とのことでしたが、ここにはすでにクレヨンハウスとしか言いようのない楽しさやおいしさが詰まっていました。
今後は農業と福祉を結びつける「農福連携」も進めていきたいとのことで、これから何年もかけて吉祥寺というまちにしっかりと根をはり、豊かな実を実らせていくに違いありません。
ぜひまた子連れで、あるいは大人の友人を誘うなどして、何度でも足を運びたいと思います。
(取材・文/古賀ゆに)
名称 | クレヨンハウス東京店 |
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WEB | https://www.crayonhouse.co.jp/shop/pages/shop.aspx#tokyo |
営業時間 | 【1F】11:00〜21:00【2F】11:00~19:00 |
定休日 | 年中無休 (年末年始を除く) |
住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-15-6(大正通り) 地図を見る |
アクセス | JR中央線・京王井の頭線「吉祥寺」駅 中央口(北口)から 徒歩約6分 |
お問合せ | 電話:0422-27-2114 |