山口県下関(しものせき)市といえば、関門海峡やふぐ料理のイメージが強いかもしれません。小学生の子連れで行った山口の旅、「関門海峡を渡ってみたい!」という思いから、下関市を宿泊拠点に家族旅行を計画しました。無人島探検気分を味わえる巌流島、海峡を望むホテル、美味しい市場グルメに加え、陸・海・歩で本州と九州を行き来できる関門海峡の驚きも体験。子連れならではの目線でご紹介します。
目次
歴史の舞台についに上陸
下関の唐戸港から巌流島(がんりゅうじま)連絡船フェリーに乗り込み、目指すは「巌流島」、正式名称を「船島」と言います。巌流島は歴史的にも有名な宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の舞台として知られる島です。
海風を感じるデッキがおすすめ
下関から船でわずか10分ほどですが、子どもにとっては“海を渡る”だけで大冒険!小さな船に揺られ、海風を感じながら到着した先は、なんと無人島。これだけで非日常感に包まれます。
乗船は唐戸市場やカモンワーフという商業施設から徒歩約5分の場所にある下関グランドホテルを目指してください。券売所は唐戸ターミナル内、巌流島は無人島なので、横にあるコンビニで飲み物の調達を忘れずに。1時間に1~2便なので、帰りの時間をチェックしておきましょう。
巌流島側からの関門海峡
島に上陸すると、広々とした芝生や遊歩道が広がっており、ゆっくり歩いて1時間程度で堪能できます。観光地化されすぎていないところが、子連れにはちょうどいい。ベビーカーでは難しい場所もありますが、小学生くらいなら探検気分で歩き回れます。
撮影スポットにもなっている
見どころの一つは、武蔵と小次郎の像。実際に子どもと一緒に「どっちが勝つかな?」なんて話をしながら写真を撮ると、歴史がぐっと身近に感じられます。島内にはちょっとした東屋もあり、海を眺めながら休憩も可能。
休憩所もところどころあるので安心
また、島から見える関門海峡を行き交う船の多さには大人もびっくり。貨物船やフェリーがひっきりなしに通り、子どもは「大きい船が来た!」と大興奮でした。島全体は観光客もそれほど多くなく、静かで安全に過ごせるのも安心。この日はとても風が強かったのですが、なんだか決戦の舞台に立てたようでそれはそれで臨場感がありました。
「無人島に行った」という特別な体験は、子どもの記憶に残るはず。日常では味わえない“ちょっとした冒険”を親子で体感できる、下関ならではのスポットでした。
部屋からの昼間の景色
巌流島で遊んだあとは、下関の「海峡ビューしものせき」へ宿泊しました。名前の通り、ホテルからは関門海峡が一望!部屋の窓から大きな橋や船が見えるので、子どもは夜まで窓辺に張り付いて観察していました。
河豚づくしの夕食
食事は、下関ならではのふぐコースを選びました。大人にはてっさ(ふぐ刺し)や唐揚げが並び、贅沢なひととき。政治家や有名な方たちも利用するこちらのレストランでは、河豚をまるまる調理して提供されるのでとても良心的でもあるそうですよ!
小学生の子どもには食べやすい食事が年代別に用意されていたので安心です。「ふぐ=大人の味」という印象でしたが、唐揚げは子どもも「おいしい!」と笑顔。子ども向けとはいえとてもボリュームがあったのですが、おいしくて動けなくなるくらい食べていました!ビュッフェもあり、郷土料理の「瓦そば」や、宿泊した日にはチョコレートファウンテンがあり家族みんなで楽しめました。
大人も嬉しそうでした
給仕してくれたスタッフの女性がとても素敵な方で、萩出身で現在は下関に住んでいるからこそのお話をたくさんしてくれました。関門海峡を渡って門司(もじ)港に行く方が近いそうで、本州に住んでいながら九州へ買い物に行く方が便利だとか、あまりに素敵な景色だけど、慣れてしまうものか尋ねたら、「朝と夜でも季節によっても全然風景が違うので、飽きることはないですね」と、上品な笑顔をみせてくれました。
部屋からの夜景
そして、お風呂。大きな窓から海峡を眺めながら入る露天風呂は格別!昼間は船、夜はライトアップされた関門橋を見ながら入浴でき、まるで絵画の中にいるよう。子どもと一緒に「あの船どこ行くんだろう?」なんて話しながら入る時間は、旅のハイライトにふさわしいのではないでしょうか。
ホテルはファミリー利用も多く、ちょうど子ども向けのスタンプラリーイベントをやっておりスタッフさんも子どもに優しく声をかけてくれたのも印象的です。売店も併設されているので市街地からは離れていますが安心して過ごせました。
唐戸市場のシンボルはやっぱり!
翌日は下関市内の市場へ。下関といえば「唐戸(からと)市場」が有名で、観光客にも大人気。多くの人でにぎわっていました。市場の中では寿司や海鮮丼を販売していて、好きなものをテイクアウトすることもできました。
我が家は政治家も立ち寄った人気の回転寿司店に入り、たらふくいただきました。郷土料理も楽しめゆっくり座っていただけるので子連れにはおすすめですね。
市場は活気にあふれ、地元の人と観光客が入り混じってにぎやか。切り身は知っているけどとれたての魚を知らない子どももいるそうで、大量の魚を目にして子どもたちも楽しそう。なにより海の街ならではの雰囲気を味わえました。
海底トンネル内の県境に感動
今回の旅の目的のひとつ「関門海峡を渡る」こと。下関と北九州(門司)は、地図で見ると本当に近いのですが、実際に渡ってみるとその近い距離感には驚きます。
車で関門橋を渡ると、ほんの数分で九州へ到着!「えっ、もう着いたの?」と子どももびっくり。さらに、電車では「関門トンネル」を通過でき、あっという間に北九州側へ。徒歩でも海底トンネルを歩いて渡れるというから驚きです。今回は時間の都合で車だけでしたが、「次は歩いてみたいね」と話が盛り上がりました。
「本州と九州って、こんなに近いんだ!」という体感は、地理の勉強にもぴったり。遊びながら学べる体験として絶対忘れないのではないでしょうか。
宿泊先からの景色は時間がたった今でも鮮明に思い出せるほど素晴らしく、山口県を1周した最終地点としても最高でした。下関はもちろんですが、山口県はとてもきれいで手入れが行き届いており、人も穏やかで優しくてとても居心地が良かったです。
下関は、歴史ある無人島探検、美味しい海の幸、お風呂、そして本州と九州をつなぐ関門海峡と、子連れで楽しめる体験がぎゅっと詰まった町でした。今回は行けなかったのですが、ペンギンで有名な水族館も唐戸ターミナル周辺にあり移動もシンプルで観光スポット同士が近く、無理なく回れるのも魅力です。
カモンワーフでお土産を調達すべし
そうそう!我が家は山口宇部空港から入り、北九州空港から出たのですが、門司港もしくは空港でお土産を買おうと思っていたところ、当たり前ですが山口県の商品はほとんどなく、下関で萩のものも品薄になるのでお気を付けくださいね。
「次は九州まで足をのばそう」とか、「韓国の釜山(ぷさん)までフェリーで行く??」なんて、旅の続きが楽しみになる場所。子どもの「冒険したい!」と大人の「美味しいものを食べたい!」を両方かなえてくれる、家族旅行にぴったりのエリア!また絶対に行きたいです♪
<海峡ビューしものせき>
■住所:山口県下関市みもすそ川町3-58
■電話:083-229-0117
■アクセス:・中国自動車道「下関IC」から約6分
・「国民宿舎前バス停」から徒歩約1分
<巌流島連絡船>
■料金(下関発着):大人900円、小人450円
■時刻表:平日・休日および臨時便/公式HPでご確認ください
■乗り場/下関(唐戸ターミナル):下関唐戸1号桟橋
■問い合わせ先住所:下関市あるかぽーと1-15
■問い合わせ先電話:083-222-1488
<唐戸市場>
■住所;山口県下関市唐戸町5-50
■電話:083-231-0001
■営業時間:公式HPをご確認ください
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(取材・文/アネモネ)