子どもの虫歯、気になりますよね。なぜ子どもは虫歯になりやすいのでしょうか。どうやって予防をしたらいいのでしょうか。
2022年3月24日(金)、雪印ビーンスターク主催のオンラインミーティングにより、幼児期の口腔ケアについて妙蓮寺歯科クリニックの関龍彦先生にお話を伺いました。
関龍彦先生プロフィール
妙蓮寺歯科クリニック 院長
医療法人社団 龍ノ歯会 理事長
日本小児歯科学会 所属
日本歯科専門医機構認定小児歯科専門医
日本小児歯科学会関東地方会 幹事
鶴見大学歯学部小児歯科学講座 研究員
日本口腔筋機能療法(MFT)学会 所属
日本障害者歯科学会 所属
日本外傷歯学会 所属
日本先進インプラント医療学会 所属
歯科医師臨床研修指導医
目次
虫歯の原因としては、食べ物、細菌、歯質の3つが考えられます。
・哺乳瓶をくわえたままのだらだら飲み
・授乳(1歳6ヵ月)の継続
・両親の唾液が子どもの口に入り、虫歯菌に感染する。
・子どもの乳歯は未成熟
子どもは大人に比べて虫歯になりやすいのは、子どもの乳歯は未成熟で、歯の表面のエナメル質が薄く大人の歯の半分程度の厚さしかないため。その上、歯磨きや仕上げ磨きをいやがったりするので、どうしても虫歯になりやすくなってしまいます。
では、3歳までの子どもの虫歯予防はどうすればよいのでしょうか。
食事内容と時間のコントロールをすること。
だらだら飲みやだらだら食べにならないよう、注意しましょう。
乳児用の歯ブラシを持たせ、口の中に歯ブラシを入れることに慣れさせましょう。
気をつけなければいけないのは、歯ブラシを持ったまま、立たせないこと。走ったり転んだりしたら危ないので、歯ブラシをもっているときは目を離さないようにしましょう。また痛い思いをしてしまうと子どもが嫌がるので、唇、頬の内側、歯茎を怖がらず、指で触ってあげて。親も痛い思いをさせないように慣れることが必要ですね!
子どもの口腔内は、2歳ころまでは無菌だそうです。両親の唾液などが子どもの口に入ると、むし歯菌に感染するので気をつけましょう。
寝かせ磨きのポイントは4つです。
・歯ブラシの毛先を歯の面に真っすぐに当てて、小刻みに優しく動かす。
・乳歯でむし歯になりやすい箇所は、上の前歯と奥歯、歯と歯の間、歯茎の境目。
・前歯を磨く際は、唇と歯茎をつなぐ筋(上唇小帯)を傷つけないよう、上唇小帯に人差し
指を当てて磨く。
・できる限り短時間で丁寧に磨き、終わったら褒めてあげる。
歯茎を手で押さえてあげて
仕上げ磨きのときに、パパやママが怖い顔をしていませんか?ついつい真剣になって怖い顔になっていると、子どもが嫌がってしまいますよ!楽しいお話や、歌を歌ったりしながら仕上げ磨きをしてあげましょう。
また、イヤイヤ期には、以前ココフルのコラムでも紹介したように、繰り返し「食べ物のカスが残っていると、むしばいきんが活動して虫歯になってしまう」ということを教えてあげ、仕上げ磨きをさせてくれたときにはほめてあげるのも大事です。
では、3歳~5歳までの子どもが虫歯にならないようにするには、どうしたらよいでしょうか。
・スポーツ飲料や乳酸飲料などを水がわりに飲まない。
・糖分を多く含んだ甘いものを高頻度に食べない。
といったことに気をつけましょう。
5歳になったら、自分で歯磨きをするようにしますが、仕上げ磨きは小学校低学年までは続けてあげましょう。
マスク生活が増えることで、呼吸しづらくなり、口呼吸が増えているそうです。子どもがいつも口をポカンと開けていたら要注意。口呼吸は口の中が乾燥し、本来の唾液の量が少なくなり、歯の周りに虫歯菌が付きやすくなるそうです。意識して鼻呼吸を増やしていきましょう。
また虫歯ができやすいのは、就寝中なので、朝晩の歯磨きは習慣にしましょう。
糖アルコール(キシリトール)は、むし歯菌が酸を出せない甘味料です。甘味があり、唾液の分泌を促進してくれますので、虫歯予防に有効です。
1歳半ごろからはじめられるオーラルケア商品「ハキラ」などもおすすめです。3月にリニューアルし、新しいハキラは、厚みが薄くなり、値段はそのままで粒数が増えました。「ハキラ」は、歯磨き後にも食べられるシュガーレスタブレットです。歯磨きをお利口にした後のご褒美にもなりますね。ドーナッツ型なので、万が一飲み込んでも窒息しない形状です。
食後、おやつ後に食べる習慣にして、ご家庭に常備してはいかがでしょうか。(ココフル編集部)