ミッフィーの絵本を小さい時に読んでもらったり、今子ども達に読んであげているパパやママは多いのではないでしょうか。
私自身、子ども達に毎日毎晩、何度読み聞かせたかわからないほど、ミッフィー(当時はうさこちゃんと言っていました)にはお世話になりました。また何度読んでも読み手である自分も飽きない絵本でした。シンプルな絵、シンプルな言葉を楽しみながら、繰り返し繰り返し読み、子どもとともに豊かな時間を楽しんだものです。
そんなミッフィーの魅力をぎゅっと詰め込んだ「誕生65周年記念 ミッフィー展」が、今立川のグリーンスプリングス内の「PLAY! MUSEUM」で開かれています。(2021年7月10日~9月12日)
なんとミッフィーは誕生してから65年もたっているのですね。
エントランスには、ミッフィーをイメージさせるカラー。想像の翼が広がります。
目次
たくさんの原画や創作メモ、不採用原画が惜しげもなく展示されています。なぜこれが不採用なのだろうと考えさせられます。そこにはディック・ブルーナ氏のとても緻密な考え方だったり、こだわりが隠されているのです。
私は、先に書いたようにミッフィーのシンプルな絵本がとても好きだったのですが、なぜ魅力を感じるのかはよくわかりませんでした。今回その魅力の秘密がいくつか解き明かされたように思いました。
すべて登場人物は、体が横を向いていても顔はすべて正面を向いています。これについて、ブルーナさんは「子ども達の正直なまっすぐな目にこたえようと思ったからなのです」と話していたそうです。
確かにミッフィーは、いつもまっすぐに見つめてくれていました。
ミッフィーの絵本は、どこかちょっぴり寂しさを感じる空気感もあります。ほっぺに大粒の涙もよく出てきます。ミッフィーだけではなく、たくさんの登場人物が大きな涙を流して泣くのです。けれども最後は必ずハッピーエンド。
子どもって、実は毎日悲しいことがいっぱい。ブランコに乗れなかった、おなかがすいた、ころんだ、おもちゃを取られた。そのつど大粒の涙を流しますよね。でも夜になったらぐっすり寝て、明日の朝にはまた元気になる。そんな子どもたちへ、「いっぱい泣いていいんだよ」というメッセージなのですね。
ミッフィーの絵はシンプルですが、ラインは太くてよく見るとごつごつしているように見えませんか。なんとブルーナさんは、細い筆の先に黒い絵の具をつけて、ひとつひとつ点を打つように線を描いていたそうです。線を引くのではなく打つ。だから短い線を描くにもとても時間がかかっていたそうです。
この3つのことは、ミッフィーの絵本に多くの魅力を感じていた私が、今回の展示会で初めて知り、特に感銘を受けたことでしたから、とても個人的なことです。
こういった作品の、文章、イラスト、色、私生活、考え方に関わるエピソードが、なんと66も紹介されています。人はそれぞれ思いが違うはず。皆さんは、どのお話に感銘を受けるでしょうか。(66 のおはなしは本にもなっており、ショップで購入ができます)
そうそう。もう一つ私が感銘を受けたこと。それはディック・ブルーナさんのとてつもなく優しい笑顔です。ゆったりとしたひげを蓄え、温かな雰囲気で、なるほどこれがミッフィーを生み出した人なのかと納得してしまいました。
絵ばかりではありません。足元を見るとあちこちに何やら小さな扉。思わず気になって開けたくなりますね。そっと開けてみてください。そこにはミッフィーの世界が広がっています。
また、ミッフィーのような耳12種類が展示されているフォトスペースでは、写真を撮ることが可能。皆さん思い思いの耳を選んで楽しそうに写真を撮っていました。
日本の作家たちの交流も紹介されています。特にミッフィーの絵本を訳した石井桃子さんの功績は計り知れないところですが、他にも五味太郎さん、さくらももこさんなどが、ディック・ブルーナ作品の魅力について語っているパネル展示もあります。意外な結びつきもあるのですね。
イベント期間中、PLAY! CAFEではドリンクやフードなどミッフィーメニューがいっぱい。そしてショップではたくさんのオリジナルグッズも販売されています。どれもこれもかわいくて、思わず財布のひもも緩みがち!
同時開催で「ぐりとぐら しあわせのほん」展が開催されています。
こちらはおなじみ、ふたごの野ねずみぐりとぐら。この展示では原画は一枚もありません。なんと来場者自らがぐりとぐらになるんです! ぐりとぐらの絵本の中に飛び込んで冒険をしたり、すてきなものを見つけたりしましょう。 もちろん大きなフライパンもあるし、仲間たちもいますよ。子ども達が大喜びになること請け合いです。
こちらは2022年3月末までの展示です。
3階のPLAY! PARKでたっぷり遊びましょう。PLAY! PARKの紹介は以前ココフル♪でも掲載しましたが、
https://www.cocoful.jp/outing/entry_16741.html
さらにバージョンアップしている印象を受けました。
特に真ん中の大きなお皿は、現在上から大量の新聞紙がひもに結び付けられジャングルのようにぶら下がっています。紙といえども丈夫にできていて、ターザンのようにぶら下がってゆらゆらすることもできるので、子ども達は大喜び。このPLAY! PARKではミッフィー展に合わせたワークショップも行っています。
ミッフィー展は再入場不可ですが、PLAY! PARKは再入場も可。どちらもおすすめ。
どうぞ大人のあなたも童心に帰って、たっぷり遊んでください!(取材・文 宗像陽子)
画像提供:PLAY!
Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2021 www.miffy.com
名称 | 誕生65周年記念 ミッフィー展 |
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主催 | PLAY! MUSEUM https://play2020.jp/ |
共催・協力 | 共催:フェリシモ、野崎印刷紙業 |
WEB | https://miffy65.exhibit.jp/ |
開催期間 | 2021年7月10日(土)~9月12日(日) |
営業時間 | 10:00~18:00(変更となる場合があります来場前にウェブサイトでご確認ください) |
住所 | 190-0014東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 地図を見る |
アクセス | JR中央線立川駅徒歩8分 多摩都市モノレール立川北駅徒歩4分 |