リチャード・ディーコン《カタツムリのようにB》1987-96年
“MOT”の愛称で親しまれている「東京都現代美術館」は、日本の戦後美術を中心に、国内外のアーティストの作品を収集・紹介している美術館です。
現代アートを展示する美術館ときくと、子連れで訪れるには少し敷居が高く感じるかもしれません。ですが、館内には小さな子どもも気軽に利用できるレストランやカフェ、「こどもとしょしつ」もあって、子連れファミリーにもおすすめのスポットなんです♪
展示を観たり、食事をしたり、開放感のあるエントランスでほっとひと息ついたり。さまざまなかたちで現代アートに親しめる東京都現代美術館。
広い館内の中でも、小さな子どもと訪れるのにぴったりのスポットをご紹介します。
目次
最寄り駅は、東京メトロ半蔵門線と都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」、東京メトロ東西線「木場駅」、都営地下鉄新宿線「菊川駅」。複数路線からアクセス可能です。
各駅からは徒歩で9~15分程度かかりますが、広大な敷地を誇る木場公園の北側にある美術館までの道のりは平坦で歩きやすいです。下町情緒も楽しみながらお散歩気分で歩いていると、スタイリッシュな外観の美術館が見えてきました!
メインエントランスに向かって右手にはスロープもあり、ベビーカーでも楽々アクセスできます。
メインエントランスから館内へ。
有料の「企画展」や「コレクション展」を観る場合はチケットの購入が必要ですが、レストランやカフェ、ミュージアムショップや図書室などを利用する場合はチケットなしで入館できます。
天井が高く、大きな窓からの日差しが心地いいエントランスには、丸くてどっしりしたベンチが並んでいます。
我が家の子ども達はこのベンチが大好き!思わず座りたくなるかたちをしているのか、来館すると必ず駆け寄って腰かけます。私もいっしょに小休止♪
インフォメーションに申し出れば、館内用のベビーカーを無料で借りられます。サイドに“MOT”のロゴが入った素敵なベビーカー!下に荷物も載せられ、取り回しもしやすいです。
展示室は大きく2つに分かれています。
企画展示室では、現代美術を中心に、幅広いジャンル・テーマでの「企画展」を年間6~8本開催。
2019年夏に開催された“あそび”がテーマの「あそびのじかん」のように、子どもも楽しめる体験型の作品が展示されることもありますので、要チェックです!
コレクション展示室では、約5,500点のMOTコレクションの中から選りすぐった作品を、さまざまな切り口で紹介。年間を4期に分けて「コレクション展」が開催されています。
いずれも大人は有料となりますが、子どもは無料(※)。
※「企画展」は小学生以下(展示による)、「コレクション展」は中学生以下。
現代美術を鑑賞できるのは、展示室内だけではありません。
展示室の外にも、現代美術作家の手がけた作品が点在しているんです!
館内で配布されている「MOT みつける MAP」や、「点 音(おとだて)」マップを手に、館内をめぐってみるのも楽しそうですね。
館内外のところどころに設置された円形のプレートは、鈴木昭男による《道草のすすめ―「点 音(おとだて)」 and “no zo mi”》 という作品。
耳のような、足あとのようなマークの上に立って耳を澄ますと、さあ、どんな音が聞こえてくるでしょう……?
「点 音(おとだて)」は、屋外展示場にも!
ここには、階段状になった “no zo mi” という作品もあります。
我が家の子どもたちは、屋外展示場がお気に入り。お天気の良い日には、“no zo mi” の階段を降りたり登ったり、座って休んだりしながら、30分くらい滞在することもあります。
エントランスの突き当たりから屋外へ出て、建物の東~北側に回りこんだところにある屋外展示場。「何度も来館しているけど知らなかった」という方もいるかもしれませんが、子どもといっしょにのびのび過ごせる場所です。
さらに子連れファミリーにおすすめの場所が、地下1階の「美術図書室」内にある「こどもとしょしつ」。
「美術図書室」の利用は、当面のあいだWEBサイトからの予約優先となりますが、「こどもとしょしつ」は予約なしで利用できます。なお、混雑時にはお待ちいただく場合があります。
ベビーカーでも入室できますが、荷物があるときは受付にひと声かけてくださいね。
「こどもとしょしつ」は、「美術図書室」の入口を入った右手にあります。
受付で入室証を受け取って、ロッカーに荷物を預けて室内へ。
子ども向けの美術に関する本がずらり!
東京都現代美術館の収蔵作家や展覧会、現代美術に親しめる本などを、手に取って読むことができます。
本の貸出はできませんが、室内にはソファーやテーブルもあり、親子で読書しながらゆったりと過ごしやすい空間です♪
お腹が空いたら、館内のレストランやカフェへ!
地下1階のレストラン「100本のスプーン」は、離乳食無料サービスもあり、子連れファミリーにも大人気!
2階には、カフェ&ラウンジ「二階のサンドイッチ」があります。こちらも子連れで利用しやすい雰囲気です。
具だくさんのサンドイッチや、プリン、ソフトクリームなどのほか、飲み物の種類も豊富です。
店内には、エントランスに並んでいたのと同じデザインの丸い椅子も!
荷物を置いて、親子で並んで座ることもできてとても便利です。
窓の外にはテラス席も。テラスの階段を降りると、ベンチの並んだ中庭です。
飲み物を片手に、テイクアウトしたサンドイッチをパクつくのも気持ちよさそうです。
ミュージアムショップは1階にあります。
さまざまなアーティストやクリエイターによるグッズや書籍の並ぶ「NADiff contemporary」の店内は広びろ。ユニークなグッズを眺めているだけでも楽しめます。
店内には、“MOT”のオリジナルグッズも。
絵画用のキャンバスをモチーフにしたTシャツは、絵画のキャプションに見立てた“MOT”のロゴ入り。
大人用の160~XLサイズと、子ども用の90サイズと100サイズがありました。親子でおそろいのTシャツを着るのもいいですね。
思わずひらいてみたくなるような虹色カラーの傘。子ども用サイズの傘もありました!
突然の雨にも重宝しそうです。
オムツ替え台や授乳室は館内各所にあり、赤ちゃん連れでも快適に過ごせます。
地下1階の授乳室には調乳用の給湯器があり、男性も入室可能とのこと。
1階、ミュージアムショップの奥には、鮮やかなタイル張りの壁が美しいベビーコーナーも。
この壁は、台湾のアーティスト、マイケル・リンが手がけたアート作品だそうです。現代アートの美術館らしいベビーコーナーです。
いかがでしたでしょうか?
エントランスの窓の外は、緑豊かな木場公園。
美術館で現代アートに触れたあとは、公園遊びやピクニックはいかがでしょうか。
お天気のいい日にも雨の日にも、親子で気軽に訪れてほしいスポットです。
取材・文/ 桐谷きこり
名称 | 東京都現代美術館 |
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WEB | https://www.mot-art-museum.jp/ |
営業時間 | 10:00〜18:00(展示室への入場は閉館の30分前まで) |
定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替え期間 ※最新情報は公式WEBサイトのカレンダーをご確認ください。 |
住所 | 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内) 地図を見る |
アクセス | 【電車】 東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩9分 都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3番出口より徒歩13分 東京メトロ東西線「木場駅」3番出口より徒歩15分、または都営バスで「東京都現代美術館前」下車 都営地下鉄新宿線「菊川駅」A4番出口より徒歩15分、または都営バスで「東京都現代美術館前」下車 【車】 首都高速9号深川線「木場」出口から約5分「枝川」出口から約10分 |
料金・参加費 | MOTコレクション(コレクション展) 一般500円、大学生・専門学校生400円、高校生・65歳以上250円、中学生以下無料。障害者手帳をお持ちの方とその同伴者2名まで無料。 企画展は内容によって異なる。 |
お問合せ | 電話:ハローダイヤル050-5541-8600(9:00~20:00 年中無休) |
駐車場情報・駐車料金 | 専用駐車場あり(約90台)。身障者優先車両専用スペースあり。1時間300円、以降30分ごとに150円。 |