大分別府温泉の杉乃井ホテルに宿泊してみて、ひがな1日このホテルにいても楽しめることがわかりました。
けれどもせっかく別府に来たのだからほかの観光地にも行ってみたいですね。たとえば、小さな子どもはパパやおじいちゃんにお任せしてホテルで遊んでいてもらい、ママとおばあちゃんは別府温泉巡りというのはいかがでしょうか。またお任せできる祖父母がいなければ、1日目はホテルでゆったり。2日目には無理のない程度で子どもも一緒に観光というプランもいいですね。
地獄めぐり
別府温泉で有名なのは「地獄めぐり」です。別府温泉は、1300年前に鶴見岳の噴火で誕生しました。ここではコバルトブルーが美しい「海地獄」「鬼石坊主地獄」「かまど地獄」80頭ものワニがいる「鬼山地獄」や「白池地獄」などをめぐることができます。
が、今回杉乃井ホテルさんには、地獄めぐりエリアから少し離れた「いでゆ坂エリア」を紹介してもらいました。
鉄輪とかいて「かんなわ」と読みます。日本有数の湯治場として知られており、昔は最低1週間は宿泊して、身体の不調をいやしたそうです。
地獄めぐりをしたら、観光案内所で鉄輪おさんぽMAPをゲット。鉄輪地区は今なお風情豊かな温泉街で、お散歩をしたり食べ歩きをしたり、ふらりと温泉に入ったりして湯治場の楽しさを味わうことができます。
目次
まずはみゆき坂を下って地獄温泉ミュージアムへ。
別府の温泉は、雨が土の中に潜りその水分の16%が地中のミネラルやイオンと融合して50年という歳月を経て自然に湧き出てくる湯だそう。この湯煙の元が50年前の雨とは驚きです。地獄温泉ミュージアムでまずは温泉の知識を得てからめぐると、より温泉がいとおしく感じられそうです。
「みゆき坂」から「いでゆ坂」へのんびり進みます。
青い琺瑯の看板がついているところはおすすめスポット。温泉や建物の魅力や歴史を教えてくれるので見逃さずに!看板のひらがなをおさんぽマップに記入していくと、鉄輪の通になれます!
こんな青や黄色の琺瑯の看板を見つけたらチェック!
地獄蒸し工房では蒸し料理をいただけますが、温泉のお湯を飲むこともできます。
飲泉場
怖い顔をした鬼の口から温泉がチョロチョロ。温泉にのぼせているような鬼さんがリアルです。98度で熱いので気をつけて!
隣のポケットパークに足湯と足蒸しがありました。
は~気持ちいい。出たくない♪
足湯はじんわりと適温でとても気持ちがよく、取材日は冬日でしたがその後の取材でも全く足が冷えることなく、身体の芯から温まりました。日頃どれだけ足先が冷えているのかを実感したことでした。鉄輪おさんぽをするときはストッキングなどは避け、すぐに足湯に入れる状態にしておくことが鉄輪を楽しむコツの一つですね!
狭い路地を行くと、勢いよく温泉が流れ、もうもうと湯けむりが上がっています!まるでハウルの動く城のような情景も見られました。菅にはびっしりと温泉の成分がこびりついていました。
98度の温泉を、効能はそのままにして適温まで冷やすために工夫された、竹製の珍しい冷却装置も見ることができました。
ジモセンというのは地域の人が管理・掃除をしている「地元の温泉」の略です。民家のお風呂を借りる感覚でお風呂をいただきます。料金が安くてビックリしましたが、これも地元の人たちが管理をしているたまものですね。
昔ながらの共同浴場。
料金は100円。ありがたいですね。
一遍上人が創設したという鉄輪むし湯は、石室内の床に「石菖」という薬草を敷き詰め、温泉の噴気で温まるというもの。残念ながら体験はできなかったのですが、10分であっという間に汗が噴き出るとか。薬草の入った蔵を見せてもらいましたが、ほんのりとよい香りがしました。建物の外に、「足蒸し」がありました。「足湯」ではなく「足蒸し」。最初は熱く感じますがそのうち、気持ちよくてたまらなくなります。十分に蒸された我が足はむくみもとれたようで、夜まで心地よかったです。
皮はふっくら。中はちょっとピリ辛。お風呂上りにハフハフしながらお散歩も楽しそう。
店主が一人で切り盛りしているお蕎麦屋さん。専用の地獄釜で蒸した焼売も人気です。
お店の横では焼売が蒸されていました
とってもおしゃれでかわいいこおにちゃんグッズがたくさん。こおにちゃんてぬぐいを思わず購入。
大分の人気店「サリーガーデン」のシフォンケーキや素朴な焼き菓子を買うことができます。
お昼は地獄蒸し体験。鉄輪地区では「地獄蒸し体験」ができる店は多いのですが、湯治宿であって体験ができるのはこのお店のみ。
地獄蒸しというのは、肉や野菜をざるに乗せ、温泉の蒸気で蒸す調理法です。温泉の塩気も含まれていて、味ぽんや特製唐辛子みそなどをつけながらいただきます。煮たりゆでたりしないので素材のうまみが引き立ち、とてもおいしいです。昔は温泉場に来て、素材を買って自分で調理してお風呂に入り、じっくりと体を治したそうです。
新鮮な地場野菜とお肉をたっぷり
地元の野菜をたっぷりとザルに乗せ蒸気の中にいれていきます。
蒸しあがりました!
できたかな?
おいしく蒸しあがりました!
大黒屋では、手作りの唐辛子みそが絶品とか!相当辛いらしいので、覚悟して食べてくださいね。野菜は「かんなわ六画ストア」で調達できます。
全国のホテルで中国料理長を務めていた前田シェフが、この地を訪れて地獄蒸しを知り、御自身の調理法と経験を組合わせて低温スチーム調理法で新たな食を提供しています。著名人がたくさん訪れています。
このほか紹介しきれない食べ処、ギャラリー、スイーツのお店はまだまだありました。ぜひお散歩をしてみてくださいね。聞くところによると3時ころは混雑するようなので、できれば午前中の方がおススメです。
NPO法人鉄輪湯煙倶楽部 では、予約なしでボランティアの方がガイドをしてくれます。
開催は鉄輪温泉湯けむり散歩が第3日曜の午前10時~
鉄輪温泉ゆうぐれ散歩が毎週土・日の午後4時~
レトロな雰囲気もありながらおしゃれなお店もある「いでゆ坂エリア」のおさんぽめぐり。人情も豊かで、あたたかな人とのふれあいも楽しみのひとつです。どうぞ楽しんでみてください。(ココフル編集部)